拡張に反対貫く 芝山の農家 懐疑心、環境破壊… 成田空港閣議決定50年

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 「巨大空港はいらない」。半世紀たっても、成田空港に変わらず厳しい目を注ぐ。空港に近い芝山町で有機農業を営む柳川秀夫さん(68)は「三里塚・芝山連合空港反対同盟熱田派」の代表世話人を務める。かつて共に反対闘争に打ち込んだ仲間の多くは運動を辞めたが、今なお新滑走路建設など空港拡張への反対を貫く。

 高校卒業後、農家の跡取りとして本格的に農業に取り組んでいた1966年7月、国が空港建設を閣議決定した。青天のへきれきだった。家族ぐるみで反対同盟に加わった。

 闘いは熾烈(しれつ)を極めた。機動隊にヘルメットで頭をめった打ちにされたこともある。71年、反対同盟が築いたとりでなどを国側が撤去、空港用地として強制収用した際は、とりでの付近に地下壕(ごう)を掘り、立てこもって抵抗した。「誤認も含め7回ほど逮捕された。理不尽な仕打ちに反対の意志が強まった」

 83年の反対同盟分裂後は、多数派だった熱田派で活動。90年代前半、国に謝罪させた公開シンポジウムや円卓会議では主要メンバーとして討論した。その結果、熱田派は話し合いでの解決を目指すことになり、大半のメンバーは抜けていった。

 だが、柳川さんは熱田派を存続させた。開港当初からのA滑走路こそ認めるが、既に運用されているB滑走路には反対姿勢を崩さず、新滑走路建設も反対だ。「地元との話し合いを強調するが、そこに反対派は含まれていない」。国や空港会社への懐疑心も根深い。

 30種以上の有機野菜を栽培する柳川さんの畑近くの空を、毎日ごう音を響かせ航空機が飛び交う。「成田空港は内陸部にあり、空港拡張には環境破壊を伴う。認められない」と強調した。