長柄のママ4人が家づくり挑戦! 杉の伐採から内装まで ワーケーションなどで貸し出しへ 【地方発ワイド】

「ゼロから家づくり」に挑戦している増田部長(右から2人目)らヨムーノDIY女子部のメンバー=長柄町
「ゼロから家づくり」に挑戦している増田部長(右から2人目)らヨムーノDIY女子部のメンバー=長柄町
工具を使って柱と梁(はり)になる丸太を組み合わせるための穴を開ける
工具を使って柱と梁(はり)になる丸太を組み合わせるための穴を開ける

 「ゼロから家づくり」。働きながら子育てする女性4人が、千葉県長柄町で住宅建設に挑戦している。杉の伐採からスタートし、木材の加工作業がほぼ完了。今月末には柱を建てて上棟式を行う。来年3月に完成予定で、出来上がった家は、仕事と遊びを兼ねるワーケーションなどで貸し出す計画。手探りで始まった約2年半がかりのプロジェクトが折り返しを迎え、メンバーの意気も上がっている。(茂原支局 古川大介)

 きっかけは倒木が問題になった一昨年秋の台風、大雨被害だった。長柄町の移住定住コーディネーターで、町のバス停建設などに携わってきた井上源太郎さんが、荒れた林を新築住宅にして有効活用できないかと企画。ネットでくらし情報を発信しているウェブメディア「ヨムーノ」に参画を打診した。ヨムーノの武田史子編集長がライターに声を掛けて「DIY女子部」を発足し、一昨年冬から本格的に動き出した。

 まず町役場近く(同町徳増)の林で、約100本の杉を伐採。同町大津蔵のJA倉庫に運び、木材の加工を始めた。専門家が作成した設計図に従って丸太を切り、皮を削る。できるだけ釘などを使わない在来工法にこだわり、のみやのこぎりで木を組み合わせるための溝や穴を寸法通りに整えた。磨いて仕上げるまで、1年以上かけた単調な作業が、ようやく終わった。

 4人の女子部メンバーは全員県内出身で、部長を務める増田智美さん(34)は「突然、家を造ってみないかと誘われ、理解がついていかなかった」と苦笑い。いきなりチェーンソーを使った杉の伐採を体験し、「想像していたイメージとのギャップに驚いた」と振り返る。

 丸太の加工は毎月1回集まっての作業で、井上さんらの指導でめきめき腕を上げた。「初めはおっかなびっくりで、見ているのが怖いくらいだったのが、すっかり様になってきた」と井上さん。4人そろってセルフビルドサポーターの初級資格を取得。増田さんは「迷いなくできるようになってきた」と笑顔を見せる。

 家は杉を伐採した林の跡地に建てる。柱と梁(はり)を組み上げて上棟式を迎える。「何をするか、いまからワクワク」と増田さん。

 上棟式の後は、屋根、外壁造りから、内装へと進む。ここまでは指導に従って行っていた作業だが、内装では女性ならではのアイデアを生かす機会が多くなる。料理関係の仕事に携わってきた増田さんは「キッチンにはこだわりがある。少しうるさく言いたい」。間取りは広いリビングが特徴のロフト付きの1LDKで、収納などはメンバーが相談して決めていく。

 ヨムーノは作業着や工具メーカーから用具を提供してもらい、記事で紹介する方式でコラボを展開している。武田編集長は「今後は内装関係との連携を進めたい」と意欲を見せる。

 4人のママを中心に、多くの人や企業を巻き込んで輪が大きくなる。荒廃した森林の活用、町の活性化にもつながる画期的な試みで、今後の広がりも期待できそうだ。


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