お寺で保護猫、夢は全国展開 一般社団法人こちねこ(千葉市) 【ぼうそうにゃん散歩】(9)

お寺の中の保護施設で、猫を抱っこする草切さん=千葉市中央区本町
お寺の中の保護施設で、猫を抱っこする草切さん=千葉市中央区本町
保護猫たちは施設での暮らしにだいぶ慣れている様子
保護猫たちは施設での暮らしにだいぶ慣れている様子
本棚の中の隙間がお気に入り
本棚の中の隙間がお気に入り

 お寺を拠点に大きな志を持って活動に取り組む保護猫団体が千葉市中心街にある。「一般社団法人こちねこ」(同市中央区本町)は、同所の日蓮宗本円寺の住職、草切榮隆さん(50)が代表理事を務める。保護施設がお寺の中という、少々変わり種の団体だ。

 祖父母が農家だったため、幼少期から馬やヤギなど多くの動物に親しんで育った草切さん。動物の「生死」に敏感な少年で、当時から弱った犬や猫を拾って家で看病するなどの活動に取り組んできた。大人になっても個人的な保護猫活動を続けてきたが、里親探しが親類や近所の人に限られるなど、活動に限界を感じていた。

 そこで2019年に同法人を設立し、翌20年9月から活動を本格化。すると市内外から野良猫などの保護依頼が舞い込んだ。おおむね1歳未満の子猫は保護して里親を探し、大人の猫は不妊手術を施して地域に返すなどの取り組みを推進。1年足らずで里親への譲渡実績は約30匹に上るなど、滑り出しは順調だ。

 背景には広報活動に力を入れていることがある。ホームページやツイッター、ユーチューブなどで保護猫情報を積極的に発信。女性3人組グループ「保護猫アイドルQvQ」を結成して保護猫活動を啓発するなど、ユニークな取り組みにも挑戦している。

 同市緑区に2棟目の保護施設を整備する計画もある。だが、もっと大きな構想も。小さな保護施設の運営ノウハウを生かし、小規模施設を全国各地に増やしたい考えだ。注目するのは地方に多い空き寺。「保護猫のボランティアが出入りするようになれば、空き寺の防犯問題も解消されるし、命を大切にする仏教の教えとも相性がいい」

 自治体による殺処分という悲しい現実を少しでも減らそうと、全国展開に向けた挑戦は続く。

(平口亜土)

*所在地 千葉市中央区本町1―6―14
*電話 043(301)5226
*ホームページ https://kochineko.or.jp
*こぼれ話 「こちねこ」とは「こちら本町 ねこの待つバス停」の略。施設が増えた際、「本町」の部分をその土地土地の地名に変えていく。


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