災害備え水循環シャワー 房総台風教訓、持ち運び設営簡単 富津市

災害時に備えて導入された水循環システムと屋外シャワーキットと、ろ過の仕組みについて説明する前田社長=富津市
災害時に備えて導入された水循環システムと屋外シャワーキットと、ろ過の仕組みについて説明する前田社長=富津市

 2019年の台風を教訓に、富津市は、限られた水を浄化して何度でも繰り返し使える水循環システムと屋外シャワーキットを導入した。災害時、上下水道が使えない地域でも水をろ過することで、被災者がシャワーを浴びる環境を確保できる。

 市は、台風被災時に停電と断水が長期にわたったため、開発した会社からの支援を受け、この装置を使った仮設シャワー室を市内2カ所に設置した。この際、被災者から好評だったことから、水循環装置と脱衣・シャワーテント、給湯ユニットなど2セットの購入を決めた。

 開発したのは、ベンチャー企業「WOTA(ウォータ)」(東京都豊島区、前田揺介社長)。AI技術を使って複数のフィルターでろ過し、繰り返し再生・循環させることで、シャワー50リットル当たりの排水を1リットル以下に抑え、一度使った水の98%以上を再利用。100リットルの水があれば、約100回のシャワー入浴が可能となる。1セット約500万円。

 「浄水場を10万分の1に縮小したような機能」とされ、エアコンの室外機とほぼ同じサイズ。緊急時の持ち運びや設営が簡単で、発電機や蓄電池などで動かせば、どこにでも仮設シャワー室を用意できる。

 高橋恭市市長は「コンパクトなので、災害時には山間部や高齢者の多い地域など、市民の近くに運んで対応することができる」と期待した。


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