2020年10月13日 05:00 | 無料公開

船橋市と金沢大が行う調査の概略図

下水処理場で下水を採水する船橋市職員(同市提供)
船橋市は12日、市内の新型コロナウイルスの感染状況を把握するため、金沢大(金沢市)と連携して下水処理場に流入する下水の調査を開始すると発表した。下水中に含まれる新型コロナウイルスの検出状況から、流域の感染者数を推測できる可能性が国内外の研究で示されており、市は無症状者を含めた感染状況の全体像が把握できると期待。研究が進めば、感染拡大の兆候を早期に予測できる可能性もあるという。市によると、下水中のウイルス量調査を行うのは県内初。
同調査は、国内では「日本水環境学会COVID-19タスクフォース」が複数の自治体に協力を呼び掛け研究が進められている。
市と金沢大が行う調査は、市内2カ所の下水処理場に流入する下水を週2日採水し、下水処理区域内の感染者数データとともに金沢大に送付。金沢大は下水濃縮液をPCR検査するなどし、感染者報告数との相関関係などについて分析する。市は6月25日から下水を採水して冷凍保管しており、過去の分も送る。
県外の調査では、下水中のウイルス量は感染者が増加する7~10日ほど前から検出された事例があり、下水中のウイルス量に着目することで、感染拡大の兆候を早期に予測できる可能性がある。
松戸徹市長は「新型コロナの感染者が予測できれば事前に態勢づくりへ手を打てる。今回の調査には期待している」と述べた。
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