2020夏季千葉県高等学校野球大会 あの瞬間を捉えた写真も多数

新企画【ちば特(千葉日報特報部)】「隕石」本体どこにある? 習志野などで発見相次ぐ 捜索のコツは

船橋市で発見された隕石(第一発見者・加藤洋介さん提供)
船橋市で発見された隕石(第一発見者・加藤洋介さん提供)
サハラ砂漠で見付かった隕石を紹介しながら研究の意義などを語る阿部新助さん=船橋市の日本大学理工学部船橋キャンパス
サハラ砂漠で見付かった隕石を紹介しながら研究の意義などを語る阿部新助さん=船橋市の日本大学理工学部船橋キャンパス
隕石の落下可能性地域(SonotaCo Network提供)
隕石の落下可能性地域(SonotaCo Network提供)

 千葉県を舞台にした突然の天体ショーに日本中が騒然となった。関東上空に今年7月、流れ星の中でも特に明るい「火球」が出現。その燃え残りとみられる破片が習志野、船橋市で相次いで発見された。専門家は「今後、もっと大きい『本体』が見つかるかもしれない」と期待する。

 取材リクエストなども受け付ける新企画「ちば特(千葉日報特報部)」初回の今回は、天文学者である日大理工学部准教授の阿部新助さん(50)に今回の隕石(いんせき)発見の意義や、再び発見される可能性について話を聞いた。(「ちば特」取材班 田村理)

 7月2日未明、明るい光が関東上空に出現した。同月4日までに習志野市のマンション敷地内で複数の破片が見つかり、約1キロ離れた船橋市のアパート屋根と駐車場でもその後、別の破片が発見された。国立科学博物館は破片を隕石と断定し、「習志野隕石」の名前で国際隕石学会に登録申請することにした。国内で隕石落下を確認したのは53例目。

◆観測ネットが貢献

 調査を続けてきた阿部さんは「隕石は、直径数十センチほどはあったのでは」とみる。今回はアマチュア天文家を含む観測ネットワークの果たした役割が大きいとし、「集まった映像を分析して落下地域を予測し、報道されたことが発見につながった」と解説。これまで世界では約6万4千個の隕石が回収されているが、このうち軌道が判明しているのは30個ほどにとどまるという。

◆捜索隊立ち上げ

 落下予想地域は習志野市や千葉市花見川区など広範囲に及び、阿部さんの研究室があるキャンパスにも近い。阿部さんの呼び掛けにより、学生や専門家が捜索隊を結成。公園などを調べたほか、地権者の許可を得て森の中も調査した。

 「習志野隕石」は落下の際に表面が溶けてガラス質になっている。成分は鉄やニッケルで、割れ目の部分はサビ付いているとみられる。捜索隊は磁石を持って隕石を探してきた。

◆生活圏で探して

 隕石を探したい県民も多いだろう。阿部さんは「まず、当然ながら不法侵入になるため勝手に私有地に入ることはできない」と指摘。けがをする恐れのある場所に立ち入らず、それらしいものを見付けた場合は博物館に連絡。正確な位置や方角、状況を記録して手袋で採取し、ビニール袋に入れ保管する-といった注意点を挙げた。公園や公道で拾った隕石は、基本的には発見者のものになるという。

 一方で、コロナ禍の中では住民に不安を与えないためにも、地域外から人々が集まる事態は避けたいとこころ。阿部さんは「生活圏にいる人々が、自宅の庭や職場のビル屋上など自身の立ち入りが可能な私有地を探せば、発見につながるかもしれない」と提案した。

◆教育への効果も

 実際、阿部さんには「見つけた石が隕石かもしれない」という相談も複数寄せられている。「宇宙への関心を高める教育的な効果もあった」とし、関心のある市民に観測ネットワークへの参加を呼びかけた。

 そう簡単には見つからない「隕石」だが、秋の夜長に“宇宙の神秘”に思いをはせるのもまた一興だ。

◇  ◇  ◇

 双方向型調査企画「ちば特(千葉日報特報部)」では、皆様から素朴な疑問や身近な問題などの情報・調査リクエストを受け付け、本社記者が取材・記事化に取り組みます。“半径5メートル”にある身近な話題から内部告発まで、情報提供・調査リクエストを随時募集しています。

詳しくはこちら⇒双方向型調査企画「ちば特(千葉日報特報部)」


  • LINEで送る