ワクチン製造「間ニ合ハズ」 100年前の感染対策 スペイン風邪役場文書 睦沢・歴史民俗資料館 【月刊ほぼ実物大ニュース】

スペイン風邪のワクチン製造が間に合わず、注射が遅れることを通知するガリ版刷りの号外。日付は大正9年2月16日で、右下には東村役場の押印も見られる
スペイン風邪のワクチン製造が間に合わず、注射が遅れることを通知するガリ版刷りの号外。日付は大正9年2月16日で、右下には東村役場の押印も見られる
3点の文書は説明文をつけて睦沢町立歴史民俗資料館に展示されている
3点の文書は説明文をつけて睦沢町立歴史民俗資料館に展示されている

 新型コロナウイルスに先立つこと約100年。世界中で猛威を振るい、2千万人以上の死者が出たインフルエンザが「スペイン風邪」。国内でも38万人以上の犠牲が出た。その時の地方行政機関の対応を示す資料が睦沢町で見つかり、町立歴史民俗資料館に展示されている。

 資料は当時の村役場から、区長に宛てたガリ版刷りの文書。衛生講話を実施する告知、予防接種希望者の取りまとめ要請、ワクチン製造が追いつかず、接種が遅れる通知の計3点が見つかった。

 大正時代、役場が村民の健康を守るため、最善の努力をしていた状況がうかがえ、現在のコロナ対応にもつながる。

 同時に寄贈された資料には関東大震災に関わる文書もあり、現在、同館が調査を続けている。

※2020年8月25日付け新聞紙面で、スペイン風邪役場文書をほぼ実物大で掲載しています。
※【月刊ほぼ実物大ニュース】は、原則毎月第4火曜日に掲載します。次回掲載は9月22日予定


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