土偶260点、忠実再現 自宅アトリエで来月公開 千葉市中央区・田野さん

忠実に再現した土偶作品約260点を公開する田野さん=千葉市中央区
忠実に再現した土偶作品約260点を公開する田野さん=千葉市中央区

 千葉市中央区の田野紀代子さん(69)が、約10年にわたって製作してきた縄文時代の土偶約260点を自身のアトリエで2月から公開する。全国各地の博物館や大学を訪れて本物の土偶を観察し、忠実に再現した。作品を通じ「縄文の素晴らしさを知ってほしい」と願っている。

 田野さんは、市民向けの土器づくり講座に参加したのをきっかけに、2008年に加曽利貝塚(同市若葉区)の土器づくり同好会に入会した。当初は縄文土器の製作にいそしんだが、博物館で土偶の展示を見るうちに「かわいくて素晴らしい」と魅了された。

 土偶は粘土で作った人形で、縄文時代を代表する遺物の一つ。時期や地域によってさまざまな形があり、多産や豊穣(ほうじょう)などを願った祈りの道具といわれる。近年は土偶にはまる“土偶女子”がメディアで紹介されるなど、ユーモラスな表情や秀逸な造形が一部で人気を集めている。

 「ただの人形ではなく、当時の人たちの思いの塊に見える」と田野さん。製作の前には、土偶を所蔵する全国各地の博物館などを巡って実物を観察。発掘調査報告書にも目を通し、どのように出土したのかを徹底的に調べる。「どう使われたのかを想像し、思いを込めて作る。でたらめには作りたくない」と熱がこもる。

 始めて5年がたった頃に作品数は100点を超え、写真集「土偶に遊ぶ」を自費出版。次の目標に展示室のオープンを掲げ、製作に打ち込んできた。

 博物館で展示される“優品”のほかにも収蔵庫の中で日の目を見ない土偶はたくさんある。田野さんは「そういうものを見つけ出して作ってきた。いろいろな土偶があることを知ってほしい」と作品公開への思いを語る。

 念願の展示室は、アトリエ「土偶ZANMAI」として昨年12月に完成。中央に国宝や重要文化財の土偶を再現した逸品を並べた。主に東北、関東、中部地方の縄文時代中期から晩期の土偶作品を見ることができる。

 田野さんは「複製だけど、できるだけ本物に近づけて作った。縄文人のレベルの高さや生活の豊かさを感じてほしい」と呼び掛けている。

 アトリエは千葉市中央区葛城3の10の10。2月から原則月曜日の午前10時~午後4時に公開する。入場無料。写真集も購入できる。見学の際は事前に田野さんに連絡を。Eメールkinokonoki.0828@softbank.ne.jp


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