みんなで守っていく 千葉県の文化財 【千葉地理学会連載 おもしろ半島ちばの地理再発見】

加曽利貝塚の貝層
加曽利貝塚の貝層

 「文化財」とは、人間の活動により生み出され残されているものの中で、特に歴史的、文化的価値の高いものです。自然物もあります。文化財保護法では文化財を有形文化財・無形文化財・民俗文化財・記念物・文化的景観・伝統的建造物群の六つに分けています。

 千葉県にも数多くの文化財があります。そのうち、国が特に重要として指定した県内の重要文化財や記念物などの数は表の通りです(2019年12月1日現在)。
 中でも特に重要度が高いものとして指定されている、国宝と特別史跡、特別天然記念物の6点(表中(1)~(6))をここで紹介します。

 (1)海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)

 香取神宮の所有です。直径30センチ弱の円鏡で、中央部に海獣の紐(ひも)通しがあり、その周囲にブドウのツタが絡まっているデザインです。8世紀に唐から2面が伝わり、1面は聖武天皇御物として正倉院に、1面は香取神宮にあります。この2面と大山祇神社(愛媛県)の神鏡とで「日本三銘鏡」と称され、1953年に国宝に指定されました。

 (2)伊能忠敬関係資料 

 香取市が所有し、伊能忠敬記念館に所蔵されています。忠敬の全国測量に関わる資料の他、地図や絵図、文書や記録、書状、器具など2345点からなります。2010年に国宝に指定されました。

 (3)観心本尊抄(かんじんほんぞんしょう)

 法華経寺(市川市)の所有です。日蓮が宗旨の教学的内容を漢文で論述したものであり、日蓮宗の根本聖典として重要な著作の原本とされます。

 (4)立正安国論(りっしょうあんこくろん) 

 本書も法華経寺の所有です。日蓮が鎌倉幕府の前執権北条時頼に建白した「立正安国論」の控えの真筆です。観心本尊抄とともに、1952年に国宝に指定されました。

 (5)加曽利貝塚 

 千葉市若葉区にある日本最大規模の貝塚です。連接した北貝塚(直径約130メートル・環状)と南貝塚(長軸約170メートル・馬蹄形)からなります。縄文時代中期の約5千年前から約2千年間のものとされます。現在は史跡公園として、保存された貝層断面や復元された住居群、加曽利貝塚博物館などがあります。2017年に特別史跡に指定されました。

 (6)鯛の浦タイ生息地 

 鴨川市にある内浦湾の誕生寺前の海岸からほど近い約200ヘクタールの海域で、世界有数のタイ群生地です。ここのタイは水深10~15メートルの浅い海に群れをつくり生息する極めて珍しい生態です。日蓮ゆかりの聖地であり、日蓮とタイの伝説も伝えられ、代々禁漁区となっています。1922年に特別天然記念物に指定されました。

 文化財は人々みんなの大切な「財産」です。みんなで守っていくことが大事です。

※本稿は千葉県ホームページを参考にして書きました。

(横芝小学校長 佐瀬一生)


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