通勤や買い物回遊性向上 ビッグデータで分析 本格稼働へ課題も 千葉市シェアサイクル実証実験

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5月の30~50代男性の利用状況。オレンジ色が濃いほど貸し出しが多く、青色が濃いほど返却が多い駐輪場を表す。丸の大きさは駐輪場のラック数と比例。午前5~8時台(左)は幕張ベイタウンからJR海浜幕張駅に向かい、午後5時~11時台(右)は駅から同タウンに向かっている状況が分かり、通勤利用が顕著と言える。(C)YahooJapan、(C)ZENRIN
5月の30~50代男性の利用状況。オレンジ色が濃いほど貸し出しが多く、青色が濃いほど返却が多い駐輪場を表す。丸の大きさは駐輪場のラック数と比例。午前5~8時台(左)は幕張ベイタウンからJR海浜幕張駅に向かい、午後5時~11時台(右)は駅から同タウンに向かっている状況が分かり、通勤利用が顕著と言える。(C)YahooJapan、(C)ZENRIN

 幕張新都心(千葉市美浜区)や千葉都心(同市中央区)で実施中の電動アシスト付き自転車共有サービス「シェアサイクル」の実証実験で、市は、利用者の年代や利用時間帯などのビッグデータを活用した効果分析の結果を発表した。通勤や仕事中の営業回り、買い物での利用が確認され、幕張新都心内での回遊性向上も裏付けられた。「期待通り」の結果に市は、10月以降の本格稼働へ向けた準備を進める。

 市国家戦略特区推進課によると、市は昨年3月から今年9月まで、東京都内などでシェアサイクルを展開する「OpenStreet」(東京都)と共同で実証実験を行っている。開始から1年以上が経過したことを踏まえ、ヤフーのデータ分析サービスを活用し利用実態を探った。

 シェアサイクルの利用登録はヤフーIDでもできるため、ヤフーが持つ利用者の年代や住所情報と、市が保有する利用時間や場所などのデータを掛け合わせ(1)通勤・通学(2)仕事(3)日常(4)観光・レジャーの4項目を分析した。

 分析結果によると、(1)は平日朝晩に幕張ベイタウンとJR海浜幕張駅の行き来が多いことから、同タウンの住民は通勤利用が顕著と判明。(2)は1回4時間以上の利用者が平日の日中に20~40代の男性に多く、さまざまな場所を巡っているため、営業回りでの利用が推測された。(3)は買い物など日常の移動手段として使われ、(4)はZOZOマリンスタジアムの試合日に、球場とイオンモール幕張新都心の行き来があると分かった。市が事前に想定していた利用方法通りだった。

 6月末時点で、自転車の台数は開始当初の110台から全国最大規模の884台に拡大。月ごとの利用回数は昨年4月が2856回だったのに対して、今年6月は3万5612回に増えた。

 利用が好調な反面、朝の通勤時間帯に駅前の専用駐輪場が満車で遠くに返却せざるを得なかったり、バッテリーの消耗が想定より早く交換費用がかさんだりするなどの課題が出ている。

 市は利用実績と課題を検証し、外部の専門家による事業採算性の評価を参考にした上で、10月以降の本格稼働に向け準備を進める。

 熊谷俊人市長は「期待した通りのデータ。幅広い目的で使われていることが分かってきた。都市政策の参考にもなる。実証実験は十分に意義があった」と強調。本格稼働に前向きな姿勢を示した。