2018年5月4日 05:00 | 無料公開

以前からパワースポットとして注目されていた地磁気逆転地層=市原市田淵

アクセス路脇の川底には、くぼみに入った小石などに削られて生じる甌穴(おうけつ)があり、自然の驚異を感じることができる
近年、千葉県のパワースポットとして認知度が急激に高まっているのが、市原市南部の養老川沿いにある地磁気逆転地層。地球の歴史のうち77万~12万6千年前に命名される可能性が高まっている「チバニアン(千葉時代)」の根拠となった地層だ。
46億年の歴史の中で、N極とS極の向きが何度も逆転してきた地球。この地層には77万年前に起きた最後の逆転の痕跡が残されており、イタリアとの命名争いが本格化する前から、マイナスをプラスに転じる“人生逆転”のパワースポットとして話題を集めていた。
命名への申請が国際学会の1次審査を通過したことを受け、昨年11月以降は見学者が急増。市内でさまざまな波及効果が表れる中、市南部の文具店では、地層にかざすためか、「普段はなかなか売れない」という方位磁針の購入者が増える珍現象も起きている。
地層に方位磁針を近づけたところで針は逆転せず、店側は「全く動かない」とアドバイスするが、「それでも『試しに』と買っていく」のだとか。世界的に珍しい地層は見学者に地球のロマンを感じさせ、「何かが起きる」との期待を抱かせているのかもしれない。
地層から離れ、周辺に目を向ければ、開発地を自然の姿に戻す小湊鉄道養老渓谷駅前の「逆開発」、上りではバックで進行する里山トロッコ列車の「逆走」など「逆」をキーワードにした見どころが充実。この地を訪れれば“人生逆転”間違いなし!?
(市原支局 市古昌也)
◇小湊鉄道月崎駅から徒歩約40分。最寄り施設の田淵会館の近くには無料の仮設駐車場がある。地層は養老川沿いにあるため、長靴が必要。現地までのアクセス路には民有地が含まれており、市教育委員会はマナーを守った上での見学を呼び掛けている。
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