房総通リズム春の観光特集2024

野田の医師、はしご付き消防車を市に寄贈 2億1800万円 老朽化知り「命を守る仕事にささげた人生。命を守るため財産使いたい」

40メートルはしご付き消防車の寄付目録贈呈式に臨んだ根本さん(左)と鈴木市長。写真と同規格の消防車が市に寄贈される=30日、野田市
40メートルはしご付き消防車の寄付目録贈呈式に臨んだ根本さん(左)と鈴木市長。写真と同規格の消防車が市に寄贈される=30日、野田市

 野田市出身で市内で開業医を続けた根本曉(あきら)さん(88)が市に40メートルはしご付き消防車1台を寄贈することを決め、同市役所で30日、目録贈呈式が行われた。購入費として約2億1800万円を市に寄付し、市は根本さんが選んだ車両を購入する。市のはしご付き消防車の老朽化を知って寄贈を決め、「命を守る仕事にささげた人生。命を守るため財産を使いたい」と市長らに思いを伝えた。

 贈呈式で根本さんは「開業医として苦労した父の死んだ年齢に近づき、できなかった親孝行の思いも込め、地元の野田市への寄贈を決めた」としみじみ話した。鈴木有市長は「寄付により市民の安全がさらに図れる」と深く頭を下げた。消防車は来年度中に納入される見込み。

 贈呈式に先立ち同日午前の市議会臨時会で、市は消防車購入を求める議案と、根本さんからの寄付金および消防車購入費などを盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を提出。両議案などは可決され、正式に購入することが決まった。

 市によると、現在所有しているのは35メートルはしご付き消防車1台。昨年に分解整備し主要部品を交換したが老朽化が進んでいた。また「35メートル」が届くのはマンション12階までで、さらに高層のマンションでは災害対応が課題だった。

 昨年秋に今村繁副市長がこうした状況を根本さんに話したところ、自ら寄贈を申し出たという。「40メートル」だとマンション14階相当まで届き、市内の高層建築物全てに対応できる。

 根本さんが国内の消防車メーカーや海外メーカーの日本代理店と面会しドイツ・マギルス社製を選定。議会での可決を受け、市と同社の日本代理店が購入契約を締結する。

 根本さんは東武野田線・梅郷駅近くで30年間、内科医院を経営。現在は都内で民間病院長を務めている。21年11月には強度行動障害者に特化したグループホームを市内で整備するため、市に1億円を寄付している。


  • LINEで送る