天候不順で野菜高騰 レタスは倍、購入控え 千葉県内青果・飲食店 コロナ禍に追い打ち

キュウリの値段を書く青果店員。通常の倍ほどの1本95円(税抜き)に高騰している=16日午後、千葉市中央区
キュウリの値段を書く青果店員。通常の倍ほどの1本95円(税抜き)に高騰している=16日午後、千葉市中央区
キャベツの値段は通常160~180円だが、280円(税抜き)に高騰している
キャベツの値段は通常160~180円だが、280円(税抜き)に高騰している

 天候不順による野菜の値段高騰が続き、県民の生活や青果店、飲食店の経営に影響を与えている。千葉市内の青果店ではレタスやキュウリの値が例年のほぼ倍に上昇。新型コロナ禍で納入先の飲食店が休業し売り上げが減る中、一般客の購入控えで「ダブルパンチ」と嘆く。スーパーは5本売りを3本売りにするなど販売数量を減らして値段を抑えるが、消費者からは「品が少ない」「早く安くなって」との声が聞かれる。

 千葉市中央区の家族経営の青果店では、通常は1玉180~200円の長野県産レタスが435円に。福島県産キュウリは1本約50円が95円になった。ホウレンソウ、キャベツ、ダイコン、ナスも高騰し、値段を見ただけで店を去る客も。

 新型コロナの緊急事態宣言で、休業中や時短営業中の取引先飲食店があるため納入量が減っており、値段高騰が追い打ちをかけた格好だ。この青果店を営む男性(68)は「ダブルパンチ。売り上げは3~4割減った」と困り顔。「スーパーは仕入れ元との契約なのか、それほど高くない。こういう時に個人経営の八百屋はかなわない」と吐露した。

 本州(東北を除く)と四国で約360店の総合スーパーを展開するイオンリテール(千葉市美浜区)によると、茨城県や福島県産のトマト、ナスがお盆以降の曇天で収穫に影響。長野県産のハクサイとレタスは9月上旬のひょう被害を受けた。このため、市場の取引価格(キロ単価)は例年同時期と比べ1~2割高騰しているという。

 同社は、1玉を半分や4分の1にするなど卸売価格に合わせた「適量販売」で値段を抑え、生産者との直接取引で仕入れ値の抑制に努める。産地が代わる10月上旬から中旬まで現状が続くとみる。

◆飲食店にしわ寄せ

 影響は飲食店にも広がる。同市中央区の飲食店「登戸の滝」は、野菜が高騰しても料理の値段は据え置き。経営する田中けい子さん(71)は「コロナで利益を得る感覚がまひしてしまった」とあきらめ気味。

 同区にある「鉄板焼きグリル 美彩や」の従業員、野田悠太さん(33)は「コロナで客が来ない上に原材料が上がり、(飲食店に)しわ寄せがくる。いつまで続くのか」と状況の好転を望んだ。

 感染防止のため自宅での食事が多くなった消費者は、家計を圧迫しないようやりくり。同市稲毛区に住む50代の介護福祉士の女性は「高い野菜を買わないようにしている。ナスは5本売りが3本に、ハクサイも4分の1が8分の1になり、そもそも品がない。鍋の季節になるから値下がりしてほしい」と願った。

◆学校給食の再開も要因

 卸売業者「千葉青果」によると、天候不順のほか、9月から学校給食が再開し、全体的に市場に出回る野菜の量が減少したのも要因。担当者は「春から初夏にかけて天候が良く値段が下がったため余計に高く感じるが、年間を通すと大きくは変わらない。ずっと高い訳ではない」と指摘した。今後の見通しは台風の影響次第だという。


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