<千葉県イート発券停止> 繁忙期前なのに…飲食店は困惑 被災地「昨年に続き痛手」 

焼き鳥店「手羽市」では、開店前に店内の消毒を徹底している=26日午後、千葉市中央区
焼き鳥店「手羽市」では、開店前に店内の消毒を徹底している=26日午後、千葉市中央区

 新型コロナウイルスの影響で客足が落ち込む飲食業界を支援する「Go To イート」事業を巡り、千葉県内でも28日から食事券の新規発行が3週間停止することになった。年末の書き入れ時を控える飲食店関係者には困惑が広がり、昨秋の房総豪雨被災地からは「昨年に続き痛手だ」と、また忘年会キャンセルが相次ぐことを不安視する声が上がった。

 千葉市中央区のJR本千葉駅近くにある焼き鳥店「手羽市」では、10月に始まったイート事業を利用した客が、25日までに112組来店した。事業開始前に比べると、客足が戻ってきていたという。食事券の新規発行停止発表を受け、店長の奥山泰行さん(60)は「第3波の傾向が出てから客が減り始めた。一時的でも影響が出るのでは」と不安げな表情を浮かべた。

 店は県庁や県警本部、裁判所といった官庁街のそばに立地。奥山さんは「この地域は感染リスクを回避する客層が多い」と指摘し「新規発行が停止すると利用者が減る可能性がある」と危惧した。実際、今月19日に県がイート事業の対象を原則4人以下の飲食に限定すると表明した後、キャンセルの連絡もあったという。

 例年なら忘年会シーズンを迎えるが、今年の予約は今のところ入っていない。奥山さんは「(3週間後も)新規発行停止が続くなら、何かしらの支援をしてほしい」と話した。

 茂原市中心部の日本料理店「竹りん」は宴会が中心で、最近はイート事業の利用客が多かったという。県の方針表明に同店の新沢敏夫さん(71)は「イートには期待していたのに…。忘年会シーズンの書き入れ時に影響は大きい」と声を落とした。

 昨年10月の豪雨では、店舗裏を流れる一宮川が氾濫し床上浸水の被害を受けた。10日ほどで営業再開したが、市内では忘年会と新年会を自粛する動きが広がり打撃を受けた。今年も忘年会のキャンセルが入り始めており「昨年に続きダブルパンチの痛手」と嘆く。

 3、4月の歓送迎会は全てキャンセルとなり、6月から完全予約制で営業を続けてきた。客が来なくても営業すれば、人件費や光熱費などがかかり「店を開けても苦しい、開けなくても苦しい」と打ち明けた。

 イート事業は来年3月末までの予定。新沢さんは「新型コロナのワクチンができるまで客足は戻らないだろう」と説明し「事業を来年5月ぐらいまで延長してほしい」と要望した。


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