「平成最大級の立地」に暗雲 パナソニック茂原工場に売却方針 雇用、税収へ影響懸念も

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液晶パネルを生産するパナソニックの茂原工場=20日、茂原市早野
液晶パネルを生産するパナソニックの茂原工場=20日、茂原市早野

 パナソニックの茂原工場の売却方針が浮上した20日、地元に動揺が広がった。1千億円を超す巨額投資を伴う工場進出は「平成以降、県内最大級の企業立地」(県企業立地課)とされ、県や茂原市が現在の企業誘致方針を形作る契機にもなった。従業員1600人の雇用や県・市の税収、地元企業との取引への影響も懸念され、多くの関係者が行く末を注視している。

 同工場は当時、日立製作所、旧松下電器産業(現パナソニック)などによる共同出資会社が約1100億円を投じて整備し、2006年5月に操業開始。当初約600人だった従業員は08年5月末にピークの2300人超に。10年4月に姫路工場(兵庫県)が稼働してから減少傾向にあったが、今も約1600人が働く。現在は出資比率を高めたパナソニックが経営権を握る。

 県企業立地課の担当者は「少なくとも平成以降、立地投資額としては最高レベル。県の誘致施策の転機にもなった立地で、売却されることになれば非常に残念」と肩を落とす。「地域の雇用を守るのが第一なので、今後、従業員の処遇を極力慎重に扱ってほしいと伝えたい」と話した。

 市商工観光課も雇用や地域経済への影響を懸念する。「部品製造や設備メンテナンスなどで関係の深い地元企業もある。従業員が減れば、街のにぎわいにも影響するかもしれない」。また、「年間数億円から十数億円と、固定資産税が市内トップクラス」(同課)と財政面への影響も心配する。