一宮に“五輪特需” 基準地価 上昇率トップ3に急浮上 サーファー施設続々進出

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サーフショップなどが立ち並ぶ海岸沿いの県道=14日、千葉県一宮町
サーフショップなどが立ち並ぶ海岸沿いの県道=14日、千葉県一宮町

 2020年東京五輪・パラリンピックのサーフィン会場になった千葉県一宮町が“五輪特需”に沸いている。18日に公表された基準地価の上昇率は、商業地で5・9%、全用途平均で3・0%と、いずれも県内トップ3に急浮上、住宅地も2・0%で5位にランクインした。大会を2年後に控え、サーファー向けの宿泊施設やショップ進出が加速するなど、開催都市として注目度が高まっていることを裏付けた。

 五輪サーフィン会場となる釣ケ崎海岸周辺の沿岸を走る県道「九十九里ビーチライン」沿いには、サーフショップやおしゃれな飲食店が立ち並ぶ。8月上旬の週末、人気の飲食店はどこもサーファーや海水浴客らで混み合っていた。

◆見物客も増加

 「県道沿いの空き地だった場所に、昨年ぐらいから新しい宿泊施設や賃貸住宅が次々とできている。県外ナンバーの車も増え、五輪会場を見物する“ノンサーファー”も増えている」。同町役場でオリンピック推進を担当する女性職員も町の変化を実感する。

 同町の地価上昇率は全用途平均で3・0%と、前年の0・6%から躍進。県内順位では16位から3位に急浮上した。商業地は地点の選定替えがあったため、前年は上昇率や順位がなく比較できないが、5・9%で3位。住宅地も2・0%(前年0・6%)で、順位は5位(同12位)にアップした。

 県地価調査鑑定評価員の佐藤元彦代表幹事は「サーファー向けショップや宿泊、賃貸住宅といった“サーファー需要”の高まりを受けて民間の投資が進み、土地取引価格が上昇している」と背景を分析する。住宅地の平均価格で同町(1平方メートル当たり2万1900円)は隣接市町村の2倍近くなっている。

 ただ、東京に近い都市部の「東京圏」と主に圏央道外側の「地方圏」の二極化が鮮明になる中、同じ外房地域の長生村やいすみ市などは軒並み下落。現時点で五輪の波及効果は限定的だ。同様に五輪競技会場となる千葉市では今のところ地価に目立った影響は出ていない。

◆聖地の知名度 

 「五輪2年前イベントがメディアに取り上げられた効果もあり、この夏はカップルや家族連れでにぎわい満室が続いた」。昨夏、JR外房線上総一ノ宮駅から車で10分程の海沿いにオープンしたコテージ型宿泊施設「カジュアルリゾートCOFF」を運営するデベロップ(市川市)の担当者が手応えを語る。

 保養所の跡地を活用した同施設は昨年8月に全15室で開業。約半数をサーファーが占めるという旺盛な宿泊需要を受け、隣地を買い増し、今夏19室に増設した。

 五輪効果で高まるサーフィン競技への関心を商機ととらえ、近隣のサーフショップなどと連携したさらなる新規客の取り込みに力を入れる。「一過性で終わらせず、五輪後の集客にもつなげる工夫が必要」(担当者)と「サーファーの聖地」としての知名度アップと地域活性化に期待を込めた。