対話生むため声を聴く 外国人住民に取材重ね 社会部 宮嶋優 【新人記者駆ける】

中学生に外国人への対応について語るマーティ・フリードマンさん(左)=11日、流山市
中学生に外国人への対応について語るマーティ・フリードマンさん(左)=11日、流山市

 今年の国内は排外主義的な雰囲気が濃く見られた年と言えよう。7月の参院選では参政党が躍進し、「日本人ファースト」などというキャッチフレーズで世間の耳目を集めた。千葉県内では、8月にJICA(国際協力機構)によってアフリカ諸国の「ホームタウン」の一つに木更津市が認定されたが、同市に抗議電話が殺到したことなどにより、撤回される事態になった。

 参院選の結果について、政治学が専門の千葉大学法政経学部教授の水島治郎さんに話を聴くと「国内での外国人増加が排外性を生んだ」と分析していた。実際、出入国在留管理庁が公表した最新の資料によると、県内の今年6月末時点の在留外国人は約25万人で、県の人口の3・9%に当たるという。この人数と割合は共に、10年前と比較して倍増しており、数%とはいえ無視できない数字だと私は考える。

 今年、外国人に取材をする機会が幾度もあった。3月のミャンマー大地震発生後や7月の津波警報発令後などだ。故郷が地震の被害に遭ったミャンマー人の留学生は、日本の災害対応を母国も学ぶべきとした上で ・・・

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