【ふつうの家族】(283) 辻堂ゆめ・作 伊藤健介・画

「皆さんにこんなにお世話になったのに、なかなか素性も明かさずにいて。僕──」

 彼が小さく、息を吸いこむ音がする。
 
 一瞬の間を置いて、ミナトはソファから身を乗り出し、父をまっす ・・・

【残り 801文字、写真 1 枚】



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