百日草の群生した庭 仲夏の民家 絵・文 道塚元嘉 【民家の四季】

 奥深い軒下にある重い雨戸を繰りながら何気なく夕焼け空に見とれていると、刻々と変現していく身震いするほどの天空の美しさに驚いたことがある。

 清らかな夕日を受けて、かやぶき屋根の大きな影が広い庭を薄墨色に染めていた。そこに群生する百日草が、もの言うように咲き誇っていた光景を、取り返しのつかないこの歳になっても不思議に覚えている。

 折々の心に焼き付いているこうした農村の原風景が遠くなっていくのは、やはり寂しいことだ。

 季節によって空気が織り出される不思議な ・・・

【残り 1319文字】



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