【ソーダアイスキャンディー】(5) 作・東野あゆみ

「その話は誰が教えてくれたんですか」

 黙って話を聞いていた姉がふいに言った。

「喜子叔母さんから教えてもらったの?」

 姉の声が震えていた。

「喜子ちゃんはあんたたちのお母さんと違って、優しいから言うわけがないじゃない」

 叔母が当てつけがましく言った。

「じゃあ、お父さんですかっ」

 姉の声が怒りに満ちていた。

 私はこのとき幼すぎて、話の中身を全て理解できやしなかった。それでも、母が悪く言われていることは十分に分かった。そして、大好きな喜子叔母ちゃんが、母に痛めつけられていたことも十分すぎるくらいに分かった。

 ジジジ、ジジジ。

 再び蝉の声が聞こえた。さっきまでの鳴 ・・・

【残り 2685文字、写真 1 枚】



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