2021年5月18日 21:10 | 有料記事
「その話は誰が教えてくれたんですか」
黙って話を聞いていた姉がふいに言った。
「喜子叔母さんから教えてもらったの?」
姉の声が震えていた。
「喜子ちゃんはあんたたちのお母さんと違って、優しいから言うわけがないじゃない」
叔母が当てつけがましく言った。
「じゃあ、お父さんですかっ」
姉の声が怒りに満ちていた。
私はこのとき幼すぎて、話の中身を全て理解できやしなかった。それでも、母が悪く言われていることは十分に分かった。そして、大好きな喜子叔母ちゃんが、母に痛めつけられていたことも十分すぎるくらいに分かった。
ジジジ、ジジジ。
再び蝉の声が聞こえた。さっきまでの鳴 ・・・
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