大きい顔 園児がピカピカに 銚子・円福寺 大仏の垢落とし

飯沼観音として親しまれる銚子市の円福寺で12日、市内の幼稚園児が境内にある大仏の顔を拭く「垢(あか)落とし」を行った。園児は大仏大きさに驚きながら一年の汚れを落としていった
飯沼観音として親しまれる銚子市の円福寺で12日、市内の幼稚園児が境内にある大仏の顔を拭く「垢(あか)落とし」を行った。園児は大仏大きさに驚きながら一年の汚れを落としていった

 寺院などですす払いをして新年を迎える準備をする13日の「正月事始め」を前に、飯沼観音として親しまれる銚子市の円福寺(平幡照正住職)で12日、市内の幼稚園児たちが境内にある大仏の顔を拭く「垢(あか)落とし」を行った。

 同寺が事始めに誰でも参加できる“心の垢落とし”として2022年に始め、子どもたちに大掃除をする事始めの文化を知ってもらおうと、寺に関連する飯沼幼稚園の年長組が昨年から作業を体験するようになった。

 黄色いバンダナを頭に巻いた園児30人が、高さ約5.4メートルの銚子大仏(阿弥陀如来座像)の周囲に組まれた足場に上がり、冷たい風が吹く中で代わる代わる作業。近くで見る大仏に「顔がでかい」と驚きながら、さらし布で「こっちを拭くね」と目元や耳、あごなど拭き上げる部分を分担して一年の汚れを落とし、きれいにしていった。

 観音堂前で参拝者を出迎える大仏は、1711(正徳元)年に建立された青銅製。終戦迫る1945(昭和20)年7月の空襲で機銃掃射受けて修理した跡が背中や台座などに残る。

(伊藤義治)


  • Xでポストする
  • LINEで送る