落書き被害で嵐山の竹林伐採 道から手が届かぬよう試験的に

「竹林の小径」の落書きされた竹=10日、京都・嵐山

 京都市・嵐山の観光名所「竹林の小径」で、竹にアルファベットなどが刻まれる落書き被害が相次ぎ、市と地元団体は19日、道から近い竹を切って手が届かないようにするため、約20本を試験的に伐採した。10月の調査では、約350本が被害を受けていたという。今後、景観への影響を見ながら、さらなる伐採も検討する。

 伐採したのは、道沿い約30メートルにわたって市有地に生える約20本。落書きされていたのは4本だけだが、手が届かないようにする効果を検証する。

 市などによると、落書きにより竹の劣化や景観の悪化につながっている。一帯は、古都保存法に基づく歴史的風土特別保存地区で、伐採などの現状変更は市の許可が必要。市が事前に伐採対象を選定し、NPO法人「京都発・竹・流域環境ネット」などに依頼した。

 落書きが見えることで「やっていい」と勘違いする人がいると考え、住民らは落書きの上に養生テープを貼ったり、日本語を含む4カ国語で注意喚起するビラを掲示したりしてきた。


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