

市街地に出没したイノシシの捕獲に効果を発揮したとして、茂原市産業まつり実行委員会(会長・市原淳茂原市長)は15日、新型の箱わなを製造した房総プラント(本社・同市)に感謝状を贈った。入り口の左右に羽のように広がるパーツを取り付け、追い込みやすくした形状で、10月に2頭の捕獲に成功した。
(武内博志)
市によると、市内では昨年、市街地でイノシシの目撃情報が多く寄せられたが、街中では子どもらが箱わなに触ってけがをする恐れがあるため、常にわなを置くことが難しかった。目撃情報があった際は、捕獲従事者らが箱わなを設置してイノシシを追い込んでいたが、入り口の脇から逃げてしまうことがあった。
そこで市は、箱わなを製造している同社に新型の開発を依頼。同社は7月ごろ、完成した1個を市に寄付した。アルミニウム製の組み立て式で、軽トラックなどで運搬できる製品という。
10月6日、市街地にあり、交通公園として親子連れに親しまれている萩原公園(同市上林)にイノシシ2頭が出没。市職員や捕獲従事者がこの新型を置き、周囲を板で囲うなどして追い込んだところ、約10分で2頭を捕らえることができたという。市農政課は「公園で見通しがよく、関係機関の協力もあったが、効果を実証することができた」としている。
市内で行われた同市産業まつりの開会式典で感謝状の贈呈があり、市原市長は「寄贈されて数カ月で成果が出たのでびっくり。茂原はジビエの利用を進めているので、(新型箱わなの)効果がこれからもっと発揮されると思う」と期待。同社は「捕まって開発陣ともに安心している」とした。
市内では今年2月、散歩中の住民がイノシシに襲われけがをしている。





