2025年10月5日 05:05 | 無料公開

チェコ総選挙で勝利を祝う最大野党のポピュリスト政党「ANO2011」=4日、プラハ(AP=共同)
【プラハ共同】チェコで3〜4日に実施された下院(定数200)総選挙は4日、開票の結果、バビシュ前首相率いる最大野党のポピュリスト政党「ANO2011」が80議席を獲得して第1党となり、勝利した。単独過半数に達した勢力はなく、バビシュ氏は政権交代へ向け、極右の野党などと連立交渉を始めると明らかにした。
バビシュ氏は4日夜、「歴史的な結果を達成した」と勝利宣言し、自らの首相就任に意欲を示した。フィアラ首相の中道右派の与党連合「SPOLU」は52議席で議席減となり、敗北を認めた。
選挙戦でバビシュ氏は、フィアラ政権によるウクライナへの積極支援や、防衛関連支出を国内総生産(GDP)比5%に増やす方針を批判。政権交代が実現すれば、欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)と協調してきた路線が見直される可能性がある。
バビシュ氏は「チェコのトランプ」とも呼ばれた実業家で富豪。昨年、ハンガリーのオルバン首相と共にEU欧州議会で極右グループ「欧州の愛国者」を立ち上げた。EUの方針に異議を唱え続けるオルバン氏とは盟友関係にある。