「2馬力選挙」「ダミー候補」疑惑否定 市川市の田中市長、週刊誌報道受け

市川市の田中甲市長
市川市の田中甲市長

 市川市の田中甲市長(68)の陣営が、2022年3月の同市長選の際、有力な対抗馬とみられた女性候補の得票を減らす目的で別の女性を立候補させる「2馬力選挙」を行ったとの週刊誌報道があり、田中市長は7日の定例記者会見で「(陣営に)頼んだことも(候補となった女性に)会ったこともない」などと述べ、自身の関与を否定した。

 週刊誌報道では、当時の田中陣営の選対幹部らが「ダミー候補」を発案し、協議の場に田中氏もいたと証言したほか、立候補した女性自身も取材に対し陣営に頼まれて出馬したと認めた(田中氏との面談は否定)―などとしている。

 前回の同市長選には、現職市長と田中氏、現県議の女性候補ら5人が立候補を表明したが、告示近くになって突然、40代(当時)の女性が出馬表明。ただ、多忙を理由に取材には応じなかった。結果は田中氏が約6万5千票を得て初当選。問題の女性候補は約4800票の最下位で落選した。

 会見で、ダミー候補擁立への関与を問われた田中氏は「そのようなことを考える発想力はないし、それを期待して(陣営に)お願いしたこともない」と否定。問題の女性とは「会ったことも、話したことも、ただの一度もない」と述べた。

 一方、今年4月に当時の選対幹部と面談したとの週刊誌報道については認めたが、現市川市議を含む面談相手計3人の実名を挙げ、やり取りの内容が都合よく使われていると批判した。

 同市役所には2日午前、週刊誌記事の内容を取り上げて田中氏を非難する送信元不明の文書が庁内延べ75カ所のファクスに送られてきた。7日午前にも同趣旨の文書が届いたという。

 週刊誌報道を受け、千葉日報社は問題の女性に接触を試みたが、当時の連絡先の電話番号は使われていなかった。

(小北清人)


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