市川市長の事務所捜索 虚偽登記疑いで「秘書」逮捕  公務口出し、市職員を威圧も

押切容疑者が持ち歩き、配っていた名刺(写真は一部加工してあります)
押切容疑者が持ち歩き、配っていた名刺(写真は一部加工してあります)
村越市長の後援会事務所。5月25日に県警の家宅捜索を受けた=2日午前、市川市
村越市長の後援会事務所。5月25日に県警の家宅捜索を受けた=2日午前、市川市

 法務局に虚偽の書類を提出したなどとして、県警が電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で会社役員の男(51)を逮捕し、関係先として、市川市の村越祐民市長の後援会事務所を家宅捜索したことが2日、捜査関係者への取材で分かった。関係者によると、男は市長の私設秘書を名乗って市役所に出入りし、市の契約業務に口出しすることもあった。

 逮捕されたのは押切裕雄容疑者。虚偽の書類を作成して法務局に提出し、会社を登記させるなどした疑いが持たれている。県警は5月24日に同容疑で逮捕、翌25日に同市南八幡1の後援会事務所を家宅捜索した。

 複数の関係者の話では、容疑者は2017年の同市長選で村越市長の事務所運営を手伝っており、ある市議は市長から「優秀な選挙参謀がいる」と容疑者を紹介された。当選後は市関係者らに市長就任のパーティーを案内。事務所の元スタッフは「次(市議選に)出るならパーティー券を買え」と、1枚2万円の券を5枚押し付けられたと明かした。

 市役所でも目撃されており、市関係者は「市長室にも頻繁に出入りしていたので、政務の打ち合わせをしていると思った」と振り返る。そのうち公務にも口を出すようになり、ある時には強い口調で「この業者に仕事を取らせろ」と職員に迫ることもあったという。

 かつては衆院議員だった永田寿康氏(故人)の公設秘書を務めており、当時を知る政界関係者は「職場に顔を出すのは3時間ほどで、何をやっているのか分からないところがあった。自分の都合を相手に押し付けることもあった」などと振り返った。別の県政関係者は「永田氏の“右腕”として秘書活動していた。衆院議員(当時)の村越氏とは旧民主党の関係で交流があったのではないか」と述べた。

 容疑者は逮捕容疑となった会社とは別に、自動車レンタル業や古物商を営む「ワルデンクリフ」(市川市香取2)の代表取締役も務める。関係者によると、同社は以前同市が市長らの公用車として導入し、解約した米・電気自動車大手メーカー「テスラ」の車両をリース会社から購入。容疑者がテスラ車を運転する姿が度々目撃されている。

 村越市長は以前の取材に、テスラ車を管理する法人を設立して買い取り、市長自身の政務活動などで利用する方針を表明していた。


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