虐待対応で児相、弁護士配置進まず 年度内、千葉市など2割 千葉県は来年度予定

 児童相談所を設置している全都道府県と22の政令市・中核市を対象に、虐待対応策として今月1日施行の改正児童福祉法で義務化された児相への弁護士配置の状況を共同通信が調査した結果、本年度内に常勤や非常勤で配置するのは千葉市など2割にとどまることが分かった。千葉県は2017年度内の配置を予定している。児童虐待を巡っては法律の専門知識を要する事案も増加。改正法は児相の強化策として日常的な対応を意図した弁護士配置を定めたが、専従体制の整備が進まない実情が判明した。

 一方、「配置に準ずる措置」として、業務委託契約などで対応するとしたのは4割。「来年度の配置予定」は1割超で、残りは「検討中」「対応は未定」だった。配置に向けては予算や適切な人材確保の難しさを指摘する声もあり、自治体の今後の対応が注目される。

 改正法は「都道府県は、児相における弁護士の配置またはこれに準ずる措置を行う」と規定。厚生労働省は全児相への弁護士配置を目指すが、「(中心的役割を担う)中央児相に適切な数の弁護士を配置し、他の児相と連携、協力を図る」ことも認めている。

 共同通信は9月に書面による調査を実施。「本年度内に配置」としたのは11都道県4市(21%)だった。このうち和歌山県や名古屋市など7都県3市は既に配置済みで、北海道や岡山県、千葉市など4道県1市は来年3月末までに配置予定とした。

 福岡市では常勤の弁護士が課長を務めているのに対し、「月に1回」(神奈川県横須賀市)や「週に1回」(三重県など)の非常勤とする自治体も多い。岡山県や和歌山県は「中央児相に1人を配置」と答えた。

 一方、「準ずる措置で対応」としたのは19府県9市(40%)。弁護士会と独自の協力態勢をつくったり、顧問契約や業務委託契約を結んだりしている。法が規定した「配置」とは言えない対応だが、厚労省は「必要な業務が適切、円滑に行えるのであれば『準ずる措置』に当たる」と当面は認める意向だ。

 他に、予定も含め「2017年度以内に配置」は本県など8県1市。設問上の選択肢にはなかったが、「未定」「検討中」としたのは9府県8市だった。

 弁護士に期待する役割については「親権停止などの措置を巡る家庭裁判所との調整や申し立て」「児相職員の法的対応力向上に向けた研修」などの回答が目立った。

 ◇児童相談所

 児童福祉法に基づき全ての都道府県と政令指定都市などに設置され、4月1日時点で全国に209カ所。一般行政職員のほか、被虐待児の面談や保護者の指導を行う「児童福祉司」、児童へのカウンセリングといった心のケアを担当する「児童心理司」が配置されている。連携する学校や警察など関係機関から相談を受け、任意の立ち入り調査をしたり、強制的に立ち入る「臨検」を実施したりする。改正児童福祉法は弁護士のほか医師・保健師らの配置を規定した。


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