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八街市で下校中の市立朝陽小児童5人が大型トラックにはねられ死傷した事故を受け、千葉県警は13日、現場を含む同小近くの市道約2キロ区間で時速30キロの速度規制を始めた。これまで速度規制はなく安全対策が一歩進んだが、住民からは「ドライバーが守ってくれるのか」と懸念の声も。県警は速度違反を取り締まる他、大型自動車等通行止めの規制も早急に実施する方針で、通学路の安全確保を進める。
県警交通規制課によると、事故後の緊急現地診断では、現場の市道は商業施設などへの抜け道に使われ、交通量が多かった。診断結果や市からの要望を踏まえ速度規制が必要と判断した。車の速度が時速30キロを超えると、歩行者と衝突した際の致死率が高くなるとされる。
対象区間では、車と歩行者の通行スペースを分ける外側線を市が整備。整備作業の終了に伴い、道路脇の18カ所に標識を設置し速度規制を始めた。来週から路面7カ所に速度表示も施す。
速度規制を受け、現場近くの70代女性は「この道は抜け道に使われ、対向車がいないとスピードを出す車が多い。安心できる」とした一方、「ドライバーが守ってくれるかは分からない」と半信半疑の様子。
標識の設置後、報道陣の取材に応じた佐倉署の潮田龍馬交通課長は「速度規制をかける意義を十分理解し、歩行者や交通弱者の安全確保に努める常識ある運転を」とドライバーに求めた。県警は学校の夏休み終了後、必要に応じて速度違反の取り締まりを行う予定。
このほか県警は、外側線の整備などで車道が狭くなるため、大型自動車等通行止めの規制も行う考え。対象区間などを市と協議している。事故現場近くの交差点には今月中に横断歩道を2カ所設置。学校が始まる9月からは登下校時の見守り活動を再開する。
市は今月中に、ガードレールなどで車の通行幅を狭くする「狭さく」と、緩やかな凸部で車の速度を抑える「ハンプ」を各1カ所整備。ガードパイプも順次設置する。