歩道要望も実現せず… 市が会見、「他の交差点整備を優先」と説明 八街児童5人死傷事故

児童5人が死傷した事故を受け、八街市が臨時記者会見を開き報道陣の質問に応じる北村市長=30日午後2時5分ごろ、八街市役所
児童5人が死傷した事故を受け、八街市が臨時記者会見を開き報道陣の質問に応じる北村市長=30日午後2時5分ごろ、八街市役所

 八街市の市道で小学生5人が死傷したトラック事故を受け、市は30日に臨時記者会見を開き、被害児童が通っていた市立朝陽小のPTA会長などから2008~11年度に毎年、現場となった通学路にガードレールや歩道の設置を求める要望書が提出されていたことを明らかにした。市は、財源面などから他の交差点整備を優先させたと説明した。市は事故後の対策として、登下校時に現場を通る児童生徒を対象に送迎バスを運行する。

 市によると、要望書は朝陽小と、同じ学区の八街北中のPTA会長の連名で提出されていた。市の担当者は「事故が起きた通学路は幅員が狭く、拡幅のための用地確保が必要で、限られた財源の中で要望に応えられていなかった」と釈明。ほぼ同時期に要望があった近くの交差点を拡幅するなどの整備を優先させていた。

 市は、市内各校からの意見を踏まえ、通学路の安全対策に関する計画を16年にまとめたが、事故現場は対策を講じる箇所に含まれていなかった。

 北村新司市長は事故現場について「危険な通学路として認識はあったが、ガードレールなどの要望については知らなかった。十分な措置ができなかった」と弁明。その上で「かつてより交通量も増えており、通学路の見直しは必要だと思っていた」と述べた。

 市は、事故に遭った児童らが住む住宅街から当面の間、登下校用の送迎バスを運行すると説明。現場道路を通る小学生約20人、中学生数人を対象とし、登校時2便、下校時4便を運行する。担当者は「児童や保護者の精神ケアのため。(終了の)了解が得られるまでは運行する」とした。

 この他、今後の事故対応策として(1)通学路の危険箇所の見直し(2)運送業などトラック運転手に対する安全運転啓発活動(3)(現場道路を)制限速度30キロとし、減速を促す「緩やかな凸部」(ハンプ)や外側線の設置―を進める方針を表明。7月中にも警察など関係機関と協議するという。


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