「震災の記憶、風化感じる」8割 ウェザーニューズが調査 【東日本大震災10年】

ウェザーニューズが立ち上げたサイト「東日本大震災の記録」
ウェザーニューズが立ち上げたサイト「東日本大震災の記録」

 民間気象会社「ウェザーニューズ」(千葉市美浜区)は、防災・減災への意識の実態や変化に関するウェブアンケート「減災調査2021」の結果を公表した。東日本大震災の発生から10年を前に、震災の記憶の風化を感じているとの回答が80%を超え、震災の教訓をどう伝えていくかが課題として浮上。非常食の備蓄意識は高まる傾向が続いており、平均備蓄日数は震災前に比べて1日以上増加した。同社は過去の調査結果をまとめたサイト「東日本大震災の記録」も立ち上げている。

 減災調査は災害時の避難行動や災害対策の一助にしてもらう目的で、震災翌年の2012年に1回目を実施。15年からは毎年行っており、同社のアプリやウェブサイトを通じ延べ10万人以上が回答している。8回目の今年は2月18~21日に行い、8101人が参加した。

 調査結果では、震災の教訓や記憶の風化を感じるか尋ねたところ、29%が「感じる」、54%が「やや感じる」と回答。発生時の記憶は、30代以上では80%以上が「はっきりと覚えている」と答えたのに対し、20代は73%に、20代未満は39%に減少した。同社は「次の災害に備えるためにも、震災の記憶を若い世代につないでいく取り組みが重要になる」としている。

 災害情報の入手手段はスマートフォンが60%で、テレビ(20%)やラジオ(12%)を大きく上回った。16年の調査までは過半数が「テレビ・ラジオ」と回答。18年の調査でスマホとパソコンを合わせた「インターネット」が初めて「テレビ・ラジオ」を超え、この10年で割合がちょうど逆転したという。

 非常食の備蓄も調査。備蓄しているのは77%で、前回より4ポイント増えた。平均備蓄日数は2・91日。震災前は1・81日だった。特に19年から増加が顕著。同社は、調査の前年にそれぞれ西日本豪雨や房総半島台風(15号)など大規模な自然災害が相次いだことに加え「新型コロナウイルスの感染拡大も備蓄意識を高めたのでは」と分析した。

 過去の減災調査をまとめたサイトでは、企業や団体の防災活動に活用しやすいよう、各年のデータを2次利用可能なフォーマットで公開。11年に行った震災の被害調査結果(津波、帰宅困難者など)もアップしている。

 同社の広報担当者は「今後も継続的に調査を行い、防災リテラシーの向上や効果的な情報発信につなげていきたい」と述べた。


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