「いじめ」認定も自死主要因とは判断せず 小6自殺で対策委 千葉・野田

佐藤教育長(左)に調査報告書を手渡す金子委員長=8日、野田市
佐藤教育長(左)に調査報告書を手渡す金子委員長=8日、野田市
佐藤教育長(右)に調査内容を報告する金子委員長(奥の左)=8日、野田市
佐藤教育長(右)に調査内容を報告する金子委員長(奥の左)=8日、野田市

 千葉県野田市の市立小6年の男児が2019年7月、自宅で自殺したことを巡り、いじめの有無や自殺との関連などを審議してきた市いじめ問題対策委員会(委員長 金子英孝・聖徳大学教職大学院教授)は8日、佐藤裕教育長に調査報告書を答申した。級友から受けた行為について、いじめ防止対策推進法の「いじめ」と認定。一方、このいじめが「自殺の主要因とは判断できなかった」とし、「衝動的に自殺を選択してしまったと推察した」と結論付けた。

 佐藤教育長は会見で「学校と連携し実効性ある再発防止策に全力で取り組む」と述べた。市によると、両親は「報告書の内容は納得していない。今後、市長に所見書を提出し、再調査を依頼したい」との意向を示しているという。

 同委は精神科医や弁護士など5人で構成。同学年の児童131人や教職員13人、両親に面談で聞き取りし、教職員や児童と保護者対象のアンケートも基に調査した。

 報告書によると、関係した児童は19年6月以降同じ班になった3人。当初は男児と仲が良かった児童が別の男子児童2人から「お似合いのカップル」とからかわれたことを機に距離を取るようになり、座席の机を離したり教科書で壁をつくったりした。

 同委はこうした行為五つを「ささいに見える行為の累積により、相当のストレスをため込んでいった」と推認し、いじめと認定。自殺後、家庭学習ノートにSOSや自殺したいとの趣旨の短い書き込みが見つかり、同委は文科省指針に基づく「遺書など」と扱った。

 自殺との関連は「学校はストレスを感じる環境。悩みを自ら教職員に相談できず、教職員も悩みに気付かず孤独感を抱えながら生活していた」と推し量った。

 一方、いじめ自体は「思春期である高学年の学校生活ではしばしば見られる行為」とし、金子委員長は会見で「全く関連がないとは言えないが、主たる要因ではない」と述べた。

 男児はおとなしくてまじめな性格だったという。金子委員長は「教員は机を離す行為を確認し『付けなさい』と指導しているが、なぜ離しているのか、どういう関係かをもう一歩入っていけば、違った展開があったのでは」と指摘した。

 報告書は「学校のいじめ防止対策が十分に機能していたとは言いがたい」とし、児童生徒のSOSを見逃さない教職員の能力向上のための研修などを提言した。


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