救急出動10%減 コロナで受診控え 適正利用進むも重症者懸念 千葉市消防「迷ったら電話相談を」

感染対策のゴーグルをするなどして出動準備する救急隊員=15日、稲毛消防署(千葉市消防局提供)
感染対策のゴーグルをするなどして出動準備する救急隊員=15日、稲毛消防署(千葉市消防局提供)

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で千葉県内でも救急出動が減少している。千葉市消防局によると、昨年1年間の出動件数は前年比6443件(10・7%)減の5万3641件。最初の緊急事態宣言が出た4月以降、急激に落ち込んだ。担当者は「受診控えの影響がある」とみる一方で、救急医療がひっ迫する中で「適正利用につながった側面もある」と分析。ただ、本当に救急搬送を必要とする患者が控えてしまう恐れもあり「迷ったら電話相談を利用して」と呼び掛けている。

 同局救急課によると、高齢化の影響で救急出動は増加傾向。2019年は過去最多の6万84件。10年前と比べ1万件以上増えたが、昨年はすべての月で減少に転じた。

 出動の大半を占める「急病対応」は3851件(10・5%)減の3万2826件。うち約6割は軽症で緊急性がない場合もある。同課は「受診控えが起きた結果、適正利用につながった側面もある」と話す。

 千葉など7都府県に最初の緊急事態宣言が出た4月7日以降、出動数は急激に減少。中でも交通事故による出動が顕著で、年間では3528件から2976件と15%以上も減った。

 転院する患者の転送も6023件から5158件と14%減った。かかりつけ医への受診控えが起こり、専門的な治療をする病院への転院も抑制されたとみられる。

 コロナ感染拡大で救急医療はひっ迫。患者の受け入れ先が決まるまでの平均照会回数は17日現在で2・52回と前年(1・89回)を大きく上回り、現場滞在時間も26・5分と5分近く延びた。

 「救急出動が減少した分、現場を回すことができている」(担当者)と明かす一方で、懸念されるのが「重症者の受診控え」だ。県の「救急安心電話相談」(♯7009)では医師や看護師に相談できる体制が整っており、担当者は「救急車を呼ぶか判断に迷ったら利用してほしい。かかりつけ医との日常的なやり取りも大切」と呼び掛けている。


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