木更津女児死傷事故 禁錮5年6月求刑 被告に地検「特に悪質で重大」

「ハローキティ」が好きだった安藤音織さん=2018年3月、東京都多摩市のサンリオピューロランド(遺族提供)
「ハローキティ」が好きだった安藤音織さん=2018年3月、東京都多摩市のサンリオピューロランド(遺族提供)

 木更津市の県道交差点で昨年4月、登校中の市立岩根小3年の女児2人が軽乗用車にはねられ死傷した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)の罪に問われた同市請西東5、元ホテル従業員、高山登被告(49)の公判が27日、地裁木更津支部(山口均裁判長)で開かれた。検察側は「過失運転致死傷事案の中でも特に悪質で重大な事件」として禁錮5年6月を求刑し、弁護側は執行猶予付き判決が妥当と主張して結審した。判決は3月4日。

 起訴状などによると、昨年4月23日午前7時15分ごろ、同市江川の県道で、軽乗用車を運転し、前方の赤信号に気付かないまま交差点を直進。横断歩道を歩いて渡っていた女児2人をはねて、安藤音織(ねおり)さん=当時(8)=を死亡させ、もう1人も意識不明の状態にさせたとされる。

 検察側は論告で、考え事にふけり、前方の注視が不十分な状態で約900メートル走行して赤信号を見過ごしたなどと指摘し「違反の程度は特に著しい」と非難。2人が死傷した結果は同罪適用事案の中で重大な部類にあたるとも述べ、意識不明のままの1人については「死亡に比肩する」とした。

 弁護側は弁論で、不注意による事故と認め、発生時の状況を素直に供述するなど反省していると説明。事故をきっかけに運転能力の欠如を自覚し、今後運転をしないと誓約したとして「事故を起こす可能性は皆無で、社会での更生が必要」と訴えた。

 論告・弁論に先立ち2人の両親による証言もあり、安藤さんの母親はわが子の将来の夢やトレードマークの眼鏡に関する思い出を紹介。「音織はこの世に悔いはなかっただろうか」などと涙し、傍聴席からもすすり泣く声が聞こえた。

 高山被告は終始うつむき気味で目をつぶっていた。最終意見陳述で検察側席にいる両親らに一礼し「二度と運転しない。どんな処罰でも受け入れる」と謝罪した。


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