「1割もかなりの負担」 ハウス支援策、農家困惑 千葉県補正予算案に470億円 【台風15号】【台風19号】【暴走豪雨】

ジョブファームの近くで稲作業を営む男性の育苗ハウス。3年前に新設したばかりだったが、大きく損傷した=13日午後7時5分ごろ、大網白里市竹之下
ジョブファームの近くで稲作業を営む男性の育苗ハウス。3年前に新設したばかりだったが、大きく損傷した=13日午後7時5分ごろ、大網白里市竹之下

 9月から続いた二つの台風と記録的な豪雨は、全国有数の産出額を誇る千葉県内農業にも深刻な影響を及ぼした。県が13日に打ち出した470億円余りの災害復旧関連の補正予算案。農業用ハウスの再建費用などで被災農家の自己負担を10分の1に抑える支援策が示されたが、現場からは「1割でもかなりの負担。これを機に廃業という人も出てくるのでは」と困惑する声も上がっている。

 大網白里市内で真っ赤な果肉が特徴のイチゴ「真紅の美鈴」を生産するNPO法人「ジョブファーム」では、台風15号の強風でハウス8棟のほとんどが損傷した。風でビニールが破れたり、骨組みがゆがんだりといった被害が出た。ハウス内には雨が吹き込み、育てていた苗に塩害の症状も出始めた。

 直売所の一角に8月に建てたばかりのハウスも傾いた。安全性に不安があるといい、高橋正己代表は「今シーズンからお客さんにイチゴ狩りを楽しんでもらいたかったが、あれでは難しそうだ」と肩を落とす。

 高橋代表によると、ハウスを1棟建て替えると数百万円の経費がかかり、材質や装備によって上下する。復旧のための補助は「ないよりはいいが、農家によっては10分の1でも手を出しづらい」と指摘した。

 また、塩害被害などは来年、再来年と尾を引く可能性があり被害額自体が未知数だ。これを機に廃業を考え、これまで育ててきた苗を譲り始めた同業者もいるといい、産業の後退も懸念される。

 高橋代表は「本当に有効な税金の使い方を考えるなら、農家が『来年も頑張ろう』という気持ちになるようなところまで手を尽くすこと」と注文をつけた。


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