館山女児殺害で両親送検 虐待、健康問題確認できず

送検のため木更津署を出る羽山有布子容疑者=2日午前8時半ごろ、木更津市潮見1
送検のため木更津署を出る羽山有布子容疑者=2日午前8時半ごろ、木更津市潮見1
羽山和宏容疑者
羽山和宏容疑者

 館山市正木の住宅で両親が次女の羽山有依ちゃん(3)を殺害したとされる事件で、千葉県警は2日、殺人容疑で逮捕した父親の警備員、和宏容疑者(51)=君津市杢師1=と母親の無職、有布子容疑者(40)=同=を送検した。3人は同市内のアパートで暮らしていて、市によると、有依ちゃんへの虐待の疑いや健康上の問題は確認されていなかったという。

 和宏容疑者は午前8時ごろ、千葉地検に向けて館山署を出発。白色シャツを着て落ち着いた様子で警察車両に乗り込んだ。黒色ジャージー姿の有布子容疑者は午前8時半ごろ、木更津署を出た。2人は「借金で生活が困難になり殺害した」と供述しており、館山署は詳しい動機と事件の経緯を調べている。

 君津市によると、市は有依ちゃんの定期検診などで家族に計4回接触。昨年9月下旬には、近隣住民から「泣き声が頻繁に聞こえる」という情報提供を受け家庭訪問を行ったが、虐待の疑いなど異常はなかった。検診で有依ちゃんに健康上の問題も確認されず、生活困窮や就労に関する相談もなかった。生活保護についての相談も寄せられていなかったという。

 家族は今年5月までに予定されていた3歳児検診に訪れなかった。7月に同市が確認すると、有布子容疑者は「他の医療機関で検診を済ませ、異常はなかった」という趣旨の回答をしたという。市の担当者は「(有布子容疑者は)丁寧な様子で特に相談もなく、問題を確認できなかった」とした。

 また、アパート周辺の住民の多くが、怒鳴り声と有依ちゃんとみられる子どもの泣き声を聞いていた。住民らによると、2~3年前から家族の自宅アパートで怒るような声が聞こえたといい、20代女性は「近頃は頻度は減ったが、1週間に何度かある時も。1時間ぐらい続くこともあった」と説明した。

 有依ちゃんについて、同い年の娘がいる女性(40)は「恥ずかしがり屋な子でお父さんの後ろに隠れていたのが印象に残っている」。「お父さんもいつも溺愛している感じで、今でも事件を信じられない」と伏し目がちに話した。


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