【台風15号】3連休観光業も直撃 予約客と連絡取れず

台風15号により被災した露天風呂の修復作業を行う業者=13日午後1時55分ごろ、鋸南町
台風15号により被災した露天風呂の修復作業を行う業者=13日午後1時55分ごろ、鋸南町

 「“逆キャンセル”をしたのは初めて。今週末は8組の予約があったのに」

 南房総市の民宿「まごえむ」の川崎祐一さん(42)は3連休を前に肩を落とす。8室ある客室は畳や布団、壁が雨漏りですべて使えなくなった。復旧のめども立っていない。

 秋の行楽シーズンを控える中、台風15号の余波は県南部の観光業にも及んでいる。停電や断水、施設の破損で休業を余儀なくされた上に、通信障害で予約客と連絡が取れない。

 鋸南町の「紀伊乃国屋」は9日以降、町内四つの宿の営業を停止。予約客へのキャンセル電話は約400件に上るが、いまだに連絡が取れない人もいる。チーフの薄井芳之さん(45)は「申し訳ないが、こんな状況ではお客さんにサービスを提供できない」と苦渋。

 市原市と大多喜町にまたがる県内屈指の景勝地「養老渓谷」。大多喜町の旅館「滝見苑」も9日から営業を取りやめた。予約客に断りの電話をするために携帯の電波が入る町中心部まで車で30分ほど走らねばならない。14日の営業再開にはこぎつけたが、相次いだキャンセルに富沢真実社長(48)は「書き入れ時だったのに」と疲れ切った表情。

 市原市の旅館「喜代元」も連休中は予約で満室だったが、半分程がキャンセルに。養老渓谷観光協会の会長も務める秋葉保雄代表(60)は「どこの旅館もまだ客を受け入れられる状態ではないはず」と頭を悩ます。

 市中心部とつながる道路は寸断され、渓谷で人気の散策路「中瀬遊歩道」には倒木が横たわったまま。秋葉代表は「紅葉シーズンまでに撤去してもらいたい」と一日も早い交通環境の復旧を願う。


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