無事故ベテラン「なぜ」 別ルート選択か 香取の運送会社、困惑 京急衝突脱線

 5日午前、横浜市神奈川区で起きた京浜急行の列車とトラックの衝突事故。死亡したトラックの運転手は香取市内にある運送会社に所属し、会社関係者によると事故歴のないベテランだった。関係者は「本来は通らないはずのルートで、なぜ選んでしまったのか分からない。被害に遭われた方々に申し訳ない」と困惑した様子で報道陣の取材に応じた。

 神奈川県警によると、香取市の運送会社「金子流通サービス」のトラックが列車と衝突し、運転していた本橋道雄さん(67)=成田市=が死亡した。

 関係者によると、本橋さんは昨年の10月に入社したが、その前も大手メーカーでトラック輸送を20年以上していたとみられる。健康状態に問題はなく勤務態度も良好で、ゴールド免許を所持していたという。

 本橋さんは5日午前4時ごろ、13トンの大型トラックで会社を出発。横浜市内でグレープフルーツやオレンジを積み、成田市にある卸売会社まで運ぶ予定だった。本橋さんはこれまで複数回、仕事で現場近くに行っていたという。

 国土交通省関東運輸局は5日、貨物自動車運送事業法に基づき、同社を特別監査。同社は運行管理表や点呼記録、ドライブレコーダーのデータなどを提出したという。

 同社の社長は「被害者や京急にできる限りのことをしていく」と話していたといい、関係者も「ここで20年以上勤めているが、こんなに大きな事故は初めてで動揺している」と声を落とした。

◆直通の京成線にも影響 成田、羽田つなぐ役割

 京急線の衝突脱線事故の影響で、直通運転をしている京成線でも5日、高砂-成田間などで一部の電車に遅れと運休が出た。京急線は東京都心と神奈川県を結ぶ首都圏の主要路線で、復旧が長引けば、他路線の混雑が続き、通勤、通学への影響が大きくなりそうだ。

 京急は羽田空港とのアクセスが大きな収入源の一つ。京成線や都営地下鉄浅草線との直通運転で、羽田空港と成田空港をつなぐ役割も担う。羽田と横浜方面の移動では、バスや鉄道の振り替え輸送に変える必要がある。都心と羽田の間では運転を続けており、両空港間の移動に大きな影響はないという。


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