クロマツ枯れ防災機能低下 44%虫や根腐れ、津波塩害 旭~一宮の九十九里沿岸保安林

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津波が乗り越ええぐられた砂丘(左)と塩害などを原因に枯れたクロマツ林=山武市蓮沼
津波が乗り越ええぐられた砂丘(左)と塩害などを原因に枯れたクロマツ林=山武市蓮沼

 千葉県が九十九里浜沿岸で整備する海岸保安林(クロマツ林)面積の約44%に当たる284ヘクタールが枯れていることが22日、県の調査で分かった。病気や根腐れによる被害の上、東日本大震災による津波の塩害が加わった。津波の減災効果があった砂丘も一部で崩れたままで、防災機能が低下している。巨大地震の発生が危惧される中、防災機能回復へ向けた白砂青松の早急な復活が求められる。

 海岸保安林は、旭市三川から一宮町東浪見の延長約50キロメートル、面積約642ヘクタールに及ぶ。飛び砂や潮風防止、津波・高潮による被害軽減などを目的に1932年から整備されてきた。

 3月11日の大震災による津波で旭、匝瑳、山武市などの保安林に海水が流れ込み、苗木や成木が枯れ、6月に行った調査で塩害は約31ヘクタールに及んだ。松くい虫被害も新たに29ヘクタール確認され、従来からの被害と合わせると196ヘクタールに。地下水の水位上昇(過湿)による根腐れも57ヘクタールある。

 保安林で枯れた面積は合計284ヘクタールで全体の約44%となり、同事務所は「防災機能の低下は否めない」としている。現在も調査は続けられ、被害面積はさらに広がる可能性がある。

 保安林の海側には、樹木を守るために砂丘が設けられている。震災の際は津波を防いだり被害を弱める減災効果を発揮した。それでも、匝瑳市や一宮町、山武市などで合計1キロメートル余りが崩壊する被害が出ている。