野田小4虐待死半年 動機解明、父の発言注目 母、口閉ざしたまま刑確定

心愛さんが浴室で死亡しているのが見つかった自宅マンション=今年1月、野田市山崎
心愛さんが浴室で死亡しているのが見つかった自宅マンション=今年1月、野田市山崎

 野田市立小4の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=の虐待死事件は24日で発覚から半年。父親の勇一郎被告(41)=傷害致死罪などで起訴=に先立ち、傷害ほう助罪に問われた母親(32)の裁判は終わり、千葉地裁の懲役2年6月、保護観察付き執行猶予5年の判決が確定した。公判では、虐待の詳細な経緯や必死に救いを求めた心愛さんの様子が明らかになった一方、わが子を死に至らしめた動機は不明のままとなった。今後、初公判を迎える勇一郎被告は法廷で何を語るのか。真相解明に向け、発言内容に注目が集まる。(報道部・渡邊翔太)

 心愛さんは1月24日に浴室で死亡して倒れた状態で見つかった。母親の判決によると、亡くなるまでの3日間、食事を与えられず、真冬の寒さの中で肌着のみの格好で立たされ続けた。十分な睡眠も取れないまま冷水シャワーを浴びせられてもいた。

 裁判で検察側が提示した母親の供述調書からは、心愛さんが休む間もなく虐待を受けた様子が明らかになった。

 2日前の夜、勇一郎被告は心愛さんを居間の壁に向かって立たせ、ソファに座って監視した。心愛さんは勇一郎被告が寝た隙に寝室に逃れたが、翌朝、勇一郎被告は目を覚ますと連れ戻した。その後も「風呂場で駆け足をしていろ」などと強要。「ここで立っています」と言わせてもいた。

 死亡当日も暴力は続いていた。勇一郎被告は昼すぎに浴室で「5秒以内に服を脱げ」と指示。体力も無くなり脱げずにいた心愛さんに「5、4、3、2、1」と秒読みしながらボウルの冷水をかける行為を数回繰り返した。両足をつかんで背中を反らす「プロレス技」もかけた。

 その後、午後9時ごろ、寒さに震えていた心愛さんに母親は「寝室に入ろうか」と声を掛けた。しかし、勇一郎被告が「だめ」と遮り、再び浴室へ。壁をたたく音が2回鳴り、勇一郎被告の「心愛が動かない」との声が響いた。母親が向かうと、顔が青ざめ動かなくなった心愛さんがいた。

 虐待を受ける間、心愛さんは家庭で唯一のより所となる母親に助けを求めていた。22日には「ずっと立たされていた」と苦しみを訴え。ただ、母親は「夫の虐待に慣れていた。数回暴力も受け、好きなこともあり容認していた」という。

 「なぜ、あなたも勇一郎被告もそこまでのことをした。当時、どういう心境だったのか」。母親は被告人質問で何度も問われたが口を開くことはなかった。心愛さんに抱く気持ちも答えられず、虐待が始まった動機は判然としないまま刑が確定した。

 虐待を「しつけだった」と供述したが、後に「覚えていない」と繰り返すようになったとされる勇一郎被告。初公判での罪状認否や被告人質問で何を語るのか。注目の裁判員裁判に向け、千葉地裁ではきょう24日、第2回公判前整理手続きが非公開で行われる。


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