院内感染で新生児死亡 MRSA、感染他に5人 千葉県こども病院

  • 0
  • LINEで送る

院内感染した新生児が死亡し、謝罪する星岡院長(中央)ら=1日、千葉県庁

 千葉県こども病院(千葉市緑区)は1日、入院中の生後1カ月未満の男の子が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に院内感染し、死亡したと明らかにした。他に入院していた1歳未満の乳児5人にMRSA感染が確認され、うち1人が発熱などを発症。新生児治療の新規受け入れの大半を停止した。院内感染の経路は特定できていないといい、同病院は感染拡大防止策を強化するとともに、第三者を含めた調査委員会を年内に設置する方針。

 県庁で記者会見した同病院・県病院局によると、亡くなった男の子は、先天性の心疾患のため、11月に入院。同月上旬に心臓の手術を受けた後、同月17日に発熱し、採取した血液から同19日にMRSAが検出された。低酸素血症を併発し、同21日に死亡した。

 手術自体の経過は順調だったといい、同病院は「感染と死亡の因果関係を否定できない」と説明した。

 亡くなった子を含め、6人とも県内在住。いずれも入院時に保菌はなく、星岡明病院長は「院内のどこかにいたMRSAが医師や看護師などを通じて子どもにうつった可能性が考えられる」と説明。「患者と遺族に深くおわび申し上げる」と述べた。これまでの調査で、院内施設から菌は見つかっていないが、職員約80人の保菌検査は11月29日に始めたばかりで、結果が出ていないという。

 亡くなった男の子は手術の前後を含め、新生児集中治療室(NICU)、新生児治療室(GCU)、新生児以外も対象となる集中治療室(ICU)に在室。

 同時期に、この3室のいずれかにいた男女5人の乳児も11月15~28日にかけてMRSAの感染が判明、うち女児1人が発症した。

 最初の1件目は亡くなった男の子の感染判明前の事例だが、発症がなかったことからその時点では特別な対応は取らず、千葉市保健所への報告も男の子の死亡翌日だった。亡くなった男の子のMRSAの遺伝子型は、他の5人のうち遺伝子型が判明済みの4人とは別で、複数の感染経路があった可能性もあるという。

 県こども病院は、県内の他病院では対応困難な特殊医療が必要な子ども(原則15歳まで)を対象にした小児専門病院で1988年に開院。224床。2013年にもMRSAに感染した新生児1人が亡くなった。