信書の禁止処分は違法 「桶川ストーカー殺人」受刑者ら勝訴 千葉地裁

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 埼玉県桶川市で1999年にあった女子大生殺害事件で、殺人罪などで無期懲役判決が確定し千葉刑務所(千葉市中央区)に服役中の小松武史受刑者(51)と、フリーのルポライター男性(46)=広島市=が、手紙のやりとりを禁止した同刑務所の処分は違法だとして、国に対し処分の取り消しと慰謝料など50万円の損害賠償を求めた訴訟で、千葉地裁の阪本勝裁判長は8日、訴えを認めて小松受刑者への処分の取り消しと慰謝料5千円、ライター男性への慰謝料3万5千円の賠償を命じた。

 判決によると、刑事事件を中心に取材活動しているライター男性は「桶川ストーカー殺人事件」の共犯者3人に取材依頼の手紙を送付。小松受刑者とは2012年6月ごろから手紙のやり取りを開始した。13年5月には、手紙のやり取りを元に記事を2本執筆して専門雑誌に掲載した。

 同刑務所は、ライター男性がほかの共犯者との手紙で得た内容などを仲介することについて、刑事収容施設法に基づき「適切な矯正に支障をもたらす」と判断。13年7月~15年4月にかけて2人の計7回の手紙のやり取りを禁止する処分をした。

 判決で阪本裁判長は、同年4月8日の小松受刑者からライター男性宛ての手紙1通の発信を禁止した処分について「更生に障害が生じるとして発信を禁じたのは、刑務所長の裁量権の範囲を逸脱・乱用で刑事収容施設法上違法」と判断した。

 原告の代理人の中井淳一弁護士は「事実関係に即して適切な判断がされた」とコメントした。

 同刑務所の西見卓明所長は「判決内容を精査し、関係機関と協議の上適切に対応したい」とのコメントを出した。

 同事件では、女子大生の猪野詩織さん=当時(21)=がストーカー被害の末に1999年10月、JR桶川駅前で刺殺された。