誰を信じれば…住民絶句 見守り先頭、募金も 渋谷容疑者「犯人と疑われている」 松戸女児殺害

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 残虐な犯行の容疑者は、被害者が通っていた小学校の保護者会の会長だった。我孫子市で、殺害された小3女児が見つかった事件で14日、死体遺棄容疑で逮捕された渋谷恭正容疑者(46)。見守り活動の先頭に立ち、事件後は遺族支援へ募金活動を呼び掛けるなど、面倒見の良さで近所の評判だった。「誰でも疑うしかないのか」-。不安を払拭(ふっしょく)するはずの逮捕だが、住民や千葉県市の教育関係者らには、安どではなく、ショックが広がっている。人懐こくて学校が大好きだったという女児。遺体発見から19日で捜査は大きく展開したが、父親は「心は晴れない」とうなだれた。

 渋谷容疑者は「子どもたちのために」と活動熱心で、近所の住民は「子煩悩な父親」と受け止めていた。

 渋谷容疑者は自称不動産賃貸業。リンさん宅からわずか約300メートルの距離の、東武野田線六実駅前の4階建てマンションに居住し、自らが土地と建物を所有する。住人の女性(46)らによると「明るくて面倒見の良いお父さん。事件後も会ったが普通だった」という。

 六実第二小の保護者によると、昨年、志願して保護者会の会長に就任した。「(自分の)子どもが卒業するまでやり続ける」と意欲を示しており、本年度も続投することが内定していた。昨年開かれた地区の小中学校が集まる保護者会の会議では「子どもたちの安心、安全を守り、学力を向上させたい」とあいさつ。会議に出席していた主婦、江口真樹さん(48)は「子どものことをちゃんと考え、学校を良くしようとしているように思えた。男性の会長は珍しく、みんな期待していた」と振り返る。

 通学路で熱心に見守り活動をする姿もたびたび見られていた。

 小学生の子どもがいるという40代の男性は「声が大きくて元気な人で、見守り活動を進んでやってくれた。不審な様子はなかった」と逮捕に驚いた様子。40代の主婦は「いつもあいさつを返してくれて好印象だった。小さい子どもがいるので、事件を不安がっていると思っていたのに…」と話した。近くに住む主婦(53)は「交通量の多い通学路で毎日(見守りに)立っていた。リンちゃんは知らない人ではなかったから、ついて行ってしまったのかも」と声を落とす。

 同校1年の娘を持つ主婦(36)によると、渋谷容疑者は事件後も地域での集団見守り活動に参加。「集団での見守り活動で先頭に立っていた」と話す。

 また渋谷容疑者は事件を受け、会長名で保護者にリンさんの遺族の帰国を支援するための募金を呼び掛けたり、保護者会の開催案内を出すなどしていた。2千円を募金した主婦(47)は「保護者はみんな募金した。言葉にならない衝撃。顔見知りだったのでショック」と肩を落とす。

 11日に行われた同校1年の息子の入学式に参加した20代の主婦は「(渋谷容疑者は)『みんなで仲良くしていきましょう』と祝辞を述べていた」。12日には子どもと歩いている姿も。多くの人は「最近まで変わった様子はなかった」と口をそろえる。

 だが、地域で見守り活動をする男性は4月に入り、たまたま会った渋谷容疑者が、淡々とした表情でこう言ったことを覚えている。「女児のお別れの会に参加しなかったので、保護者会の人から批判された。犯人じゃないかと疑われている」。欠席した理由は「家族全員がインフルエンザにかかった」と説明していたという。

 近くに住む同校4年の児童の父親は「自分のところでこんな事件が起こると思っていなかった。しかも(容疑者が)保護者会長とは。今後どうしていけばいいのか」と絶句した。