わずか数百メートル十数分 “死角”狙った犯行か 通学路、人通り少ない道も 松戸女児殺害

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 わずか数百メートル、所要時間十数分の通学路で一体、何があったのか?遺体で見つかったベトナム国籍の小学3年、レェ・ティ・ニャット・リンさん(9)は自宅を出てからわずかな間で、事件に巻き込まれた可能性が高い。地域の見守りはあるが毎日でなく、途中には人通りが途切れる場所も。通学路の“死角”が狙われた可能性があり、関係者にはショックが広がる。

 リンさんが連れ去りなどのトラブルに遭った可能性がある自宅周辺から通学する六実第二小学校までの道は、通学時間帯には人通りが少なくなる場所があり、以前から学校側は児童らに注意を促していたようだ。

 27日は春休み中で、ランドセルを背負った子どもの姿はないが、自宅周辺は通勤などで住民が行き交う。踏切を渡りしばらく歩くと、週数回、保護者らが見守り活動をしている交差点がある。直進すれば道幅は広く、車の交通量も多い。左折すれば両脇が梨畑で高さ約3メートルのネットが視界を妨げ、人がほとんど通らない道になる。

 六実第二小を卒業した松戸市立六実中1年の男子生徒(13)は「不審者はあまり出ないが梨畑のところは人通りも少なく、小学校低学年の頃には先生に『あそこに近づくな』と言われた」と話し、同小卒の女子大学生(20)も「小学生の時は梨畑周辺に痴漢が出るから通らないように言われていた」。周辺に住む主婦(59)は「梨畑周辺は人けがないので不安に思っていた」と話した。

 学校側は、リンさんは交通量の多い道を通学路にしていたと説明する。行方不明になった24日、リンさんがどちらの道を通ったかは分からない。学校側によると、道路が狭く、車との接触などかえって危ないため集団登校をしていない。同市に転入後は近所の親しい児童と一緒に登校していたが、児童の転校後は1人で登校していた。

 24日に見守り活動をしていた住民らで、リンさんを見掛けた人は確認されていない。1日2回、登下校の時間に近所をパトロールする無職男性(75)も「この辺は不審者も不審車両も見掛けない。24日の朝もパトロールしたが、おかしいことはなかった」と話した。

 近くに住む女性(76)は見守り活動には参加していないが「見守りは毎日というわけではなかった。こんなことになるなら、私ももっと気を付けておけばよかった」と悔しがった。近くの無職女性(75)は「この辺りは入り組んでいて、子どもがちょっと連れ込まれたら危ない」と指摘する。

 リンさんの自宅近くに住む女性は「昨年あたり、リンさん宅をジーッと見ている人がいた」と話した。

◆母親「悲しい、話すことない」

 リンさんの母のグエン・ティ・グエンさんは27日「とても悲しい。メディアに話すことは何もない」と話した。共同通信の電話取材に語った。

 グエンさんはベトナムに帰省中。親族とみられる男性によると、事件を受けて日本に再び戻るかどうかなど、今後の予定は不明という。

◆自宅に大使館関係者

 松戸市のリンさんの自宅には27日、ベトナム大使館の関係者が訪れた。

 午後3時5分ごろ、外国人とみられる男女5人が姿を見せ、玄関前で「ベトナム大使館です」と告げたうえで4人が室内へ。約15分後に退出し、報道陣の質問に1人の男性がベトナム語で答え、付き添いの男性が日本語で「私たちベトナム人にとってこの事件はとても寂しいが、今は千葉県と我孫子の警察署と協力している」などとコメントした。

 午後4時40分ごろには男性が郵便受けの郵便物を確認。報道陣の呼び掛けには応じず屋内へ戻った。