春の味覚ハマグリに異変 九十九里豊漁 茨城では激減

 春の味覚ハマグリのうち、外洋で採れるチョウセンハマグリの主産地、茨城県・鹿島灘に異変が起きている。漁獲量が約20年前のピーク時の20分の1に激減する一方、南側の九十九里浜は近年、異例の豊漁だ。謎を解こうと茨城県水産試験場(ひたちなか市)などが、ふ化したてのハマグリの“赤ちゃん”の分布解明に乗り出した。

 チョウセンハマグリは熊本県などの内湾で採れるのとは別種で、大ぶりでぷりっとした食感が特徴。夏に海中でふ化した幼生が翌春に稚貝として砂浜に打ち上げられ、沖へ戻りながら2~3年で成貝に成長する。

 近年の鹿島灘の漁獲量は1993年の1751トンをピークに年々減り、2014年は80トンまで落ち込んだ。九十九里浜は300トン前後で推移し、05年ごろに一時100トン以下まで減ったが、11年は729トン、13年には1833トンまで急増した。

 漁獲量に影響を与えるのが、数年に1度とされる稚貝の大量発生だ。鹿島灘で最後に確認されたのは93年で、九十九里浜は09年と12年。鹿島灘の港湾建設などによって海流が変わり、砂浜が浸食され生息環境が悪化したとの説や、幼生が南に流れた可能性が挙げられるが、生態に謎は多く、原因は分かっていない。

 謎を解く手がかりとして、水産試験場と水産総合研究センター水産工学研究所(茨城県神栖市)は11年、幼生から稚貝に育つまでの分布量の変動調査に着手した。両県の沿岸に観測点を設置し、網で集めたさまざまなプランクトンの中から、遺伝子情報によってハマグリの幼生を特定。観測点ごとに1立方メートル当たりの数を換算する。

 さらに、海流で広がっていくシミュレーションと組み合わせ、より詳細に分析する。

 水産試験場の山崎幸夫首席研究員は「ハマグリは地元漁師の貴重な収入源。先端技術で、解明と漁獲量回復に取り組みたい」と話している。


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