「もう一度会いたかった」 千葉県内から延べ500人、遺族高齢化 戦地慰霊訪問、来年度で終了 亡き父の足跡たどった石井猛さん(80)=松戸市= 【戦後79年千葉 忘れないで】(6)

父が戦死したパプアニューギニアに赴いた時の写真を見る石井猛さん=松戸市の自宅
父が戦死したパプアニューギニアに赴いた時の写真を見る石井猛さん=松戸市の自宅
猛さんは父の姿を写真でしか知らない
猛さんは父の姿を写真でしか知らない

 79年前に終わった戦争で親を亡くした遺族らが戦地に赴き弔う「慰霊友好親善事業」が来年度で終了する。県遺族会によると、会員の高齢化に伴い継続が難しくなったという。同会の担当者は「弔いに行ける最後の機会になる」と参加を呼びかけているが、高齢化に加え、新型コロナ禍で中断したことも影響して年々参加者は減少している。同事業で父親の足跡をたどった遺族の一人に思いを聞いた。

(報道部・大村慧)

 この事業は日本遺族会が主催し1991年に始まった。県遺族会からは昨年度までに延べ505人が参加。激戦地となって多くの日本人らが戦死したサイパンやパプアニューギニア、グアムなどに赴いたという。戦地への訪問だけではなく、現地の住民との友好親善も行い、小学校にサッカーボールや文房具を寄贈するなどしていた。

 松戸市の石井猛さん(80)は県遺族会を通じ、戦死した父を訪ねる機 ・・・

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