交雑浸透で消滅の恐れ 房総“純粋”ニホンザル 外来種アカゲザルと

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房総半島で確認された交雑のサル(手前と奥、川本芳氏撮影)=日本霊長類学会提供
房総半島で確認された交雑のサル(手前と奥、川本芳氏撮影)=日本霊長類学会提供

 房総半島の丘陵中央部に生息するニホンザルが野生化した外来種のアカゲザルと交雑していることが、県の調査で明らかになった。ニホンザルの生息地で交雑が確認されたのは全国初めてとされる。交雑は広範囲に及ぶとみられ、房総半島固有の“種”がピンチに陥っている。日本霊長類学会(会長・清水慶子岡山理科大教授)は早急な本格的対策を求める要望書を県と環境省に提出。県も危機感を持ち、有効な対策を模索している。

 県は2008~11年度に交雑モニタリング調査を実施。鴨川、勝浦、君津、鋸南など9市町で有害駆除されたニホンザルのDNA検査をしたところ、分析した2362匹の1・6%に当たる38匹(雄23匹、雌15匹)でアカゲザルとの交雑が判明した。また、139匹(雄85匹、雌54匹)が「交雑を否定できない」とされた。

 県や同学会によると、アカゲザルはアジア大陸に広く分布。全国で唯一、館山市や南房総市の一部に野生化した群が存在し、実験や鑑賞用などに輸入された後放置されたり逃げ出すなどしたらしい。1995年度に群が初確認され、県は2005年度から全頭捕獲を開始。これまでに1300匹超を駆除したが、現在も700匹前後がいると推計される。

 同学会の清水会長は「交雑の浸透で房総半島の純粋なニホンザルが消滅してしまう恐れもある」と懸念を表明。県に対して11年度で打ち切ったモニタリング調査の再開による生息域全体の現状把握や、ニホンザル生息地での交雑防止の本格的対策などを求めた。環境省には県への支援を要請した。