千葉県、児相増強も職員集め難航 家庭的な養育環境整備へ 里親拡充課題<野田女児虐待死から5年>

千葉県庁
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 野田市で小学4年の栗原心愛(みあ)さん=当時(10)=が虐待を受け死亡した事件から24日で5年になる。事件以降、千葉県内の児童相談所への児童虐待相談件数は毎年度1万件を超える高水準で推移。児相の必要性がより高まる一方、職員不足や都市部を中心にした一時保護所の定員超過など課題が山積している。県が設置した検証委員会が「救える命だった」と指摘した同事件。二度と同じ悲劇を起こさず、子どもたちが安心して育てるよう、早急な体制整備が求められる。

 「お父さんにぼう力を受けています」。心愛さんは2017年11月、学校のいじめアンケートで父親の虐待を訴えた。柏児相はすぐに一時保護。ただ、心愛さんが保護中に性的被害を打ち明け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されたにもかかわらず、必要な会議を開かないまま翌12月に解除した。

 県の検証委は「対応の基本が不徹底」「危機管理意識が欠如」など児相の対応を批判しつつ、事件を一貫する課題として児相の人員不足などを挙げた。

 県は26年度までに印西市と松戸市に児相を新設し計8カ所にするとしたが、職員の確保が難航。20~22年度で260人増やす計画を進めてきたが、期限内に達成できず、23年 ・・・

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