新たな感染症想定し初動対処訓練 成田空港検疫所やNAA 検査場、感染者の動線確認 コロナ以降初

新たな感染症が発生したと想定し、成田空港検疫所やNAAなど関係機関が集まって初動対応を確認した訓練=14日、成田市の同空港
新たな感染症が発生したと想定し、成田空港検疫所やNAAなど関係機関が集まって初動対応を確認した訓練=14日、成田市の同空港

 成田空港で14日、新型コロナウイルスが感染拡大して以降初めて、新たな感染症が発生した際の検疫強化に向けた初動対応の訓練が行われた。成田空港検疫所や厚生労働省、成田国際空港会社(NAA)、国内大手航空会社などから14人が参加する会議を開き、検疫体制を強化するまでの流れを確認した。訓練は一部のみ公開された。

 検疫所によると、訓練では海外で新型インフルエンザが発生し、重症者が数人出たと想定。検疫所が空港内倉庫に備蓄するサージカルマスクや防護服の数を確認し、航空会社からは帰国者の情報を得た。NAAとは水際対策強化に向け、検査場所や感染者の動線を確認した。

 海外での新型インフル確認から1週間後、検疫感染症に指定されたとも想定。翌日から検疫法に基づく検査や隔離が始まるとして、検疫所や厚労省、NAA、日本航空、全日本空輸などが集まって会議した。

 オンラインで参加した濱地雅一・厚労副大臣は「(空港で)感染拡大のピークを遅らせ、国内の準備を行う時間を確保することが最重要課題だ」と指示した。

 成田空港の水際対策を巡っては、2020年から新型コロナの防疫措置として入国制限が強化され、同年度の国際線利用者数は前年度の4%にまで激減。当初、検査結果待ちの長時間化などが課題となった。今年4月末、水際対策が撤廃された。


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