子宮頸がん撲滅目指す ワクチン、検診活用を 婦人科(1) 県がんセンター婦人科医長・草西多香子 【9月はがん征圧月間 ちば がんにうち克つ】(6)

資料‥国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」
資料‥国立がん研究センターがん対策情報センター「がん登録・統計」

 子宮頸(けい)がんは子宮頸部と呼ばれる子宮の出口にできます。発症は20代~40代に多く、主な原因は性交渉によって感染するヒトパピローマウイルス(HPV)です。2019年の発表によると、1年間の子宮頸がんの患者数は約1万1千人で、死亡者数は約2900人でした。

 患者数、死亡者数ともに増加傾向で、50歳未満の患者の増加が問題です。若い働き盛りの女性、これから妊娠を考えている女性や子育て中の女性が子宮頸がんになり妊娠できなくなったり、命を失ったりしている悲しい現実があります。

 HPVは子宮頸がんの87・4%に感染が確認されています。性交渉の経験がある女性のほとんどが一生に一度は感染すると言われています。多くは免疫力によって排除されますが、約10%の人は持続感染し、数年から数十年後に1%以下の人が子宮頸がんになります。

 しかし、子宮頸がんは予防と早期発見が可能です。まず予防として、HPVワクチンがあります。13年4月に定期接種となったHPVワクチンは小学校6年生から高校1年の女子が対象です。HPVワクチン接種後に広範な痛みや運動障害などの多様な症状が報告されましたが、ワクチン接種との因果関係は否定されました。

 次に早期発見として、子宮頸がんの前がん病変である異形成は子宮がん検診で発見できます。20歳以上の女性は2年に1度受けられますが、日本の検診受診率は42%と、欧米諸国の70~80%と比較して低いことが問題です。

 世界ではワクチンと検診で子宮頸がんは撲滅へと向かっていますが、日本はどちらも非常に遅れています。日本も子宮頸がんの撲滅を目指してHPVワクチン接種と子宮がん検診を受けましょう。


  • LINEで送る