コロナ禍、地域にぬくもり 大みそかは学生へ温かい年越しそば  千葉・年の瀬の子ども食堂

クリスマスを前に特別メニューの弁当が配布され、子どもたちが列を作っていた=18日午後5時ごろ、千葉市若葉区
クリスマスを前に特別メニューの弁当が配布され、子どもたちが列を作っていた=18日午後5時ごろ、千葉市若葉区

 新型コロナウイルス収束のめどが立たない中、千葉市若葉区西都賀にある「TSUGAnoわこども食堂」も年の瀬を迎えている。「子ども食堂を通して、人のぬくもりが通い合う街にしたい」。そんな願いを込めて始めた食堂では、活動に制限があるものの子どもたちにクリスマス特別メニューの弁当を提供。友人に会えず帰省も自粛するという学生たちには温かい年越しそばを大みそかに振る舞う予定で、スタッフは準備に追われている。
 
 18日午後5時ごろ、サンタクロース姿の大学生ボランティアらが子どもたちを出迎えていた。新型コロナの感染拡大により食堂内で食事は提供せず、屋外で特別メニューの弁当を配布した。ケーキやクリスマスチキンを準備し、同食堂代表の田中照美さん(42)は「おいしいご飯を食べて笑顔になって、季節を感じてほしい」と思いを込めたという。
 
 生活保護受給世帯や母子家庭などの子どもを優先にして、用意した90食は30分ほどで配り終わった。一方で「弁当を渡して『さようなら』では意味がない」(田中さん)と、検温や消毒、換気を徹底した上でこたつがある部屋を開放し、親子の声に耳を傾けていた。
 
 田中さんは忙しい両親のもとで、地域の大人に助けられて育ってきた。そんな自身の経験から「困っている人を地域全体で見守った社会の温かさを思い出してほしい」と約3年半前に子ども食堂を始めた。食事を提供するだけでなく、人と人がつながる場所を目指して運営し、今では地域の親子のよりどころとなっている。

 食堂では近所の高校生や大学生約10人がボランティアで、子どもたちと遊んだり勉強を教えてくれている。田中さんは「この食堂は学生が来てくれるようになったおかげで地域に根付いていった」と振り返る。

 その中で秋ごろ、1人暮らしをする大学生の異変に気付いたという。オンライン授業で人と話す機会が減り、見たことのない暗い顔を浮かべるようになった。いつも支えてくれる大学生を元気づけられないかと、緊急支援として31日に年越しそばの提供を企画した。
 
 当日はそばだけでなく、予約制のおせちも50食用意する。新型コロナで思うように学校に行けず、帰省も控えて年末年始を迎える学生たち。田中さんは「子は地域のかすがい。子どもたちがつないでくれた縁で、今度は困っている大学生たちを笑顔にできれば」と語った。

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 年越しそばの提供は31日午後5~9時、TSUGAnoわこども食堂(千葉市若葉区西都賀3の17の11)。学生を対象に限定80食(なくなり次第終了)。問い合わせは同食堂☎080(5037)7100。


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